今回の記事は、重くて長い記事になりそうです。
私と大家さんの関係は、ちょっと普通に借りてる、貸してる関係とは違って、もうちょっといろいろと関わりがあります。
私たちの住居は、入口や部屋は完全に大家さんの家とは重なりませんが、同じ一棟の建物の一部だから、
「ちょっと牛乳(オリーブオイル)分けてもらえる?」
「宅配を頼んでいるお野菜がたくさん来たから、お裾わけ」
「郵便が来たわよ」
「チップス(フライドポテト)買ってきたんだけど、多いからお裾わけ」
「パソコンがおかしいんだけど、マ。の時間のある時に見てもらえたらすごく嬉しいんだけど」
ってな感じで、よくうちのドアを叩かれます。
こちらからは、
「すみません、水道の蛇口が閉まらないんですが、どうしたら?!」
「ヒーターが壊れちゃったけど、調べてみたら、リコールされている品番です」
「暑くなってきたけど、クリスマス・プレゼント代わりに?!クーラーを買ってもらえませんか?」
「犬を飼ってもいいですか?」
等々、いろいろお願いしたり、されたりな関係。
そんな関係ですから、たまに、大家さんの16歳になる猫を獣医に連れていかれる際、車でこの猫ちゃんを抱っこしている役目を仰せつかったりしています。
今日も、この猫ちゃんを病院に連れていく際の「お伴」を仰せつかりました。
「今日でもう3日も食べていないから、一度連れていかなくちゃ・・・」
前にも、そんなことがありました。今回は、私の知っている限りで2回目。
猫ちゃんのベッドと猫ちゃんを抱えて、助手席に乗り込んで、近くの獣医へ。
獣医さんで一度診察を受けてから、血液検査の結果を待つことになりました。
30分くらい待合室で大家さんと二人、世間話や無駄話をしながら待って、お医者さんから呼ばれて検査結果を聞きました。
結果は、腎臓が弱っていて、どの位回復するか、わからないけれど、今考えられる選択肢は、3つ・・・
一つ目は、入院させての積極的な治療。
2つ目は、おうちに戻ってお薬を飲ませ、様子を見て、明日もういちど連れて来られ、結果を見てみること。
3つ目は、安楽死・・・でした。
大家さんは常々、この猫ちゃんはもう年齢も高いし・・・他に20年以上も生きた猫も見ているけど、最後は本当に治療とお薬ばかりで、かわいそうだった・・だから、苦しませるようなことはしたくない、と言っていました。
診察室で、お医者様は言葉を選んで・・・どの選択肢でも、ご決断を尊重します。少し考えるお時間が要りますか?と仰いました。
大家さんは、私に「どう思う?」と訊かれましたが、私は「この猫ちゃんは大家さんの「娘」だから、私には決められません」と言うのが精一杯でした。
そんな可能性もあるかも、と大家さんから聞かされてはいたけど、目の前に突きつけられるとちゃんと考えられず、そう言って逃げるのが精一杯だったのです。
そして、大家さんは「安楽死」にどのくらい時間がかかるのかを訊いて、猫ちゃん本人がしんどくないのかを尋ねてから、安楽死を選ばれました。
積極的な治療はしたくない。だけど、うちに連れて帰ったら、結局また病院に連れて来なくてはならなくなる。
私は、無責任なことは言いたくなかったけれど、今朝、裏庭で日向ぼっこをしていたこの猫ちゃんを思い出して、せめてうちに連れて帰って上げたら、と言ってみましたが、大家さんは、一度連れて帰っても、苦しんでいたらきっとまた病院に連れてきてしまう・・・また病院に行くことは、猫にとって、traumaticな・・・すごく怖くて嫌なことに違いないから、ここでさよならをするわ・・・そう言って。
診察台の上で、大家さんがまだゆっくりと歩いている猫ちゃんを沢山撫で、おでこにたくさんキスをしてから、私たちは診察室を後にしました。
帰りの車の運転中、「私は泣かないの」と言いながら、大家さんはそれでも涙がにじみ出てくるのを止められない様でした。
私も寂しくて、少し涙が出ました。大家さんには、「大変な決断でしたね」というのが精一杯でした。
うちに帰ってくると、きゅうりが元気いっぱいで迎えてくれました。
元気で、エネルギーを爆発!!!させて、お帰りダンスをしてくれるきゅうりの顔を見るのはいつも嬉しいものですが、この時ほど、元気なきゅうりがいてくれて嬉しいことはありませんでした。
今でも、考えます。
メイジーは、死ぬ準備が出来ていたのだろうか?
家を出たとき、もう戻ってこない、とわかっていただろうか?
後悔ないよう、日向ぼっこを充分にしただろうか。
わかりません。
だけど、メイジーの最期を決めたのは、飼い主である人間です。
きゅうり、きゅうりはずっと元気でいてね。
きゅうりには、なんでも、好きなことを、好きなだけさせてやりたいです。
