セックスをしない男女がここ一つ屋根の下で暮らしている。

ストレスフルな彼を見かねて、何となく言ってみたんだ。

 

「一緒にお風呂でも入る?」

 

3年程も互いの体を見ていない私たちが、

いきなり一緒にお風呂なんて、ハードルが高すぎたのか、

ソワソワする胸を隠していたさ。

 

14年弱の付き合いだからこそなのか、何かがこっぱずかしい。

 

彼にお風呂の中に先に入らせ、私は彼に前面に体を見せながら、

座ってシャンプーなどをし始めたさ。

 

膝を抱えたように湯船につかる彼が視野に入る、

「あれ?ちょっと小っちゃくなった?」

 

あの頃の37歳の彼とは何かが完全に違っている、

老化現象をまじまじと体感させていただきましたよ。

 

「洗ってあげるよ・・」

 

照れたような彼は、椅子に座らされ、されるがままに髪を洗われ、体全身・足の裏まで泡ぶくにされては

言わぬがかなりのハイテンションだったに違いない。

 

出会った当初は37歳の彼は、50歳だ、

ディケイド前なら もう男性は最期を想う年代だ。

 

お風呂の後は、

じゃんじゃんかかってくる電話の対応も穏やかになり、

愛犬たちにも もはや猫かわいがりになった。

 

思わず、彼の膝を枕にしていた私、ナッツ(姉の犬)もごろんと横になり、

ピーちゃん(妹犬)は彼のもう一つの膝を占領し、

比較的大きい家の中の、一つの部屋の中の一角で、

 

4つの心臓はこれでもかというほど近寄った。

 

 

娘の小雪は私の両親と住んでいる、

彼女の中学2年生始めての授業参観日に、私は彼女に会いに行く、2か月ぶりぐらいだろうか、彼女に会うのは。。

 

万事うまくいっているさ、

仕事の依頼も来た、

素晴らしきかな人生よ。

 

彼の肌は明らかに衰えていた、

そうよ、あんなにも嫌いで仕方なかった彼とお風呂を共にした、

雪でも降るんじゃないかしら…

 

大嫌いは愛しすぎてるの反対のややこしい感情よ、

今の新婚ゲームのような生活は、なかなか面白いさ、

そりゃ、仕事もどんどん舞い込んでくるってなもんだ。