「今だ!」

 

小雪の1週間後の誕生日プレゼント と、免許証が入っている長財布と鍵を持って、

駆け足で家を出た。

 

今しかない!

 

ゴッチが家に帰るのが少し遅くなるというメールが来た、

細かい意味や理由は無いが、今を逃したら絶対いけないと…

 

1キロ半ぐらい真北へずんずん車で走ると、小雪が私の両親と住んでいる家があるさ、

勢いでチャイムを2・3回連続押すさ、

私だっていう何時もの合図。

 

3か月ぶりぐらいに 沸き上がったこの勢いを逃したら、

もういつ娘に会えるかわからないんだ。

 

ピンポンを2セットしたぐらいだろうか、

「あいてるよ~」

 

母の声がした。

 

娘は学校で疲れ果てて眠っていた様子だった、

われは、泣かないでいられた。

 

やっとあえた・・・・・

この子に会いたかったんだよ・・・・・

 

触るだけ娘にさわって、陽気で母と会話し、さっさと帰った。

 

 

わたし!上出来!

 

なんでも勢いだなって思ったさ、

いつも定時で帰ってくるゴッチが少し遅くなったおかげ様さ。

 

かわいい子よ、

ままは、君のことが好きすぎて、

勢いでしか会いに行けなくてごめんね。

 

実は、さっさと帰ろうとしたのは、

彼女の涙腺がゆるみそうな空気を感じたからだった。

 

親と子、近いようで近くない関係、

追えば逃げるし、逃げれば追いかけてくる そんな親子。


私の中で 彼女そのものが私の遊園地よ、

ラスベガスよりも スイスよりも遠かった 彼女の居場所にさ、

勢いで行けたことで、我の自信がみなぎり始めたさ。


真北に手を合わせ、彼女の全てを願う。

彼女な悩みが無くなりますように、お月様おねがいします。


愛してるよ、

マイスウィーティー