企業参謀 By 大前研一
P.51
売上高利益率(Rate of Return on Sales:ROS)
製品ごとの指標で見る場合、注意が必要。
製品系列A ほぼ外昨
製品系列B ほぼ内作
同じROSの場合、市場性が同じならAを伸ばすことによって必要資金もリスクも少なく利益を伸ばせる。
BはAより苦労している分、ROSが高くてもいいはずである。
よって異なった製品系列での収益性をROSで比較することにあまり意味はない。
P.90
戦略的代替案の摘出
現状の延長線上に解がない場合。
よくある代替案
(1)新規事業へ進出・・・多角化
(2)新市場への転出・・・海外
(3)インテグレーション(垂直統合)・・・石油精製であれば上方にいけば採掘、下方にいけばガソリンスタンド
(4)合併、吸収・・・M&A
(5)事業分離・・・分社化
(6)業務提携・・・販売チャネルの共有、技術提携
(7)撤退、縮小、売却
→(3)のインテグレーションを
業務コンサルティング会社を例にすれば、システム開発を外注ではなく中国の開発センターを自社に取り入れる下方へのインテグレーション。
逆にSIerを例にすれば、エンタープライズシステムに携わってきた経験から業務コンサルティングの分野へも進出する上方へのインテグレーション。
両者の垣根はなくなろうとしていると思う。
P.96
つりあいの管理
製品系列のポートフォリオ管理という専門分野は、多岐にわたる製品系列相互のバランスを各々がもつ収益性、成長性、キャッシュフローなどの点からそれぞれ異なった戦略をとることにより、企業全体として目標に近づけようとする管理技術のことをいう。
GEが計算機から撤退したのにハネウェルがそれを買う。また、ゼロックスがユニバシティを買収して新規参入するといった動きはコンピュータそのものの絶対的市場価値を云々している限り説明できない現象である。
→ちょっと古い本なので現代版にして考えてみると、
IBMのPC事業: PCそのものは既にコモディティ化していて利益率が低く、赤字続きだった。売却したキャッシュを他の事業につぎ込みたかった。
レノボ: IBMのブランド力、販売チャネル、開発力を利用し世界的な企業に一気に躍り出たかった。プラス中国国内での需要の増加を見込んでいた。
P.188
参謀たるもの「イフ」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
参謀たるもの自ら選択できる代替案がなんであるかをつねに理解し、それらの間の損得勘定を怠らないはずである。
ところがなかなか日本人が「What,If.....?」という考え方を不得手としている。
その理由のひとつは、われわれが今日まで中国や西欧の国から1000年以上にわたって文明を受け入れ続けてきたことによって「解答がすでに存在していることに慣れきってしまっている」ことではないだろうか。
もうひとつの背景は、シャーマニズムの血筋をひくわが神道の影響である。この原始的な形態では、祭政上のことで、とくに言霊とか心霊といったものを重視し、悪いことをなるべく考えまい、言うまいとするようになってしまった。つまり「What,If.....?」という発想を考えるだけでも恐ろしいような悪いことが心に宿ると、それが本当に怒ってしまうのではないかという恐怖心から、なるべく避けて通るような”くせ”がついたのではないか、という推論を私はしているのである。
→この鋭い推論、さすが大前研一さんです。明らかに達成できないスケジュールだとしても、それを言えない雰囲気は感じる。仮にそうなった場合を言おうとしても「終わらすんだ」と偉い人が一喝で議論は終わる。そんな気がしてる。
P.200
制約条件に制約されるな
ここで強調したいのは個々の解決策がなにであったかということではない。問題と言うものはそのときの状況によって唯一無二という独自性をもっている。だから、規制の解答というものはありうべくもない。しかし、問題に立ち向かうときのこちら側の姿勢については妙薬があるということを言いたいのである。
そして、この妙薬とは「なにができないか?」と考える代わりに「なにができるか?」と最初に考えることなのである。そして、その「できる」ことを「できなく」している制約条件をひとつずつ執拗にはぎとる戦略を考えていくのである。
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ぼくが3歳のころに発行された本とは思えないほど、現在でも参考になる本です。
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