アニグランド製 1/72 Mig-31 ファイアフォックス、クリント・イーストウッドの映画の方の機体です。映画版は邦題が「ファイヤーフォックス」となっていますが、ここでは原作の邦題準拠で「ファイアフォックス」と表記します。
これまで作った中では一番手がかかって期間もかかって思い入れの強い物の一つです。
当ブログのここまで過去作は完成した時期を基準に古い順で書いておりまして、これは2019に完成しましたが、購入・製作開始したのは2011年でした。
製作話の前にこのファイアフォックスの原作者クレイグ・トーマスの話になります。
私はこのクレイグ・トーマスの小説が大好きで、好きな作家を一人だけ挙げろと言われたら多分このクレイグ・トーマスを選ぶんじゃないかって位に好きです。そんなのは日本で自分くらいじゃないかと思う一方、随分昔のエピソードですが、そこらの本屋じゃ売ってなかった「狼殺し」を探しに神保町の三省堂に行った際に「(日本でたぶん唯一)クレイグ・トーマスの狼殺しを平積みしている本屋!」とのポップが置かれて平積みされている光景がありまして。そこまでメジャーな作家ではないですが好きな人は凄く好き、そんな作家です。
刊行された翻訳本は当然ながら揃えております。別名義デイヴィッド・グラントのモスクワ5000もあります。ファイアフォックス・ダウンはハードカバーで持ってましたが引越しで紛失して文庫を買い直しました。
イギリスの情報機関SISの面々を軸に主に当時のソヴィェト勢との諜報戦を描いたいわゆるスパイ/エスピオナージ物と呼ばれるジャンルになりますが、このトーマス作品はコンゲーム的要素をむしろ背景に留めて現場の工作員達の死闘が主軸となっているのが特徴。
また、展開に緩急を付けたりロマンス要素入れたりといった読者を楽しませる定石展開も取らず、シビアに進行する展開が基本です。物語上重要な人物かとか関係なく死ぬ奴は死ぬ。状況に人物を配置したら後は作者の意向は廃し展開に任せるというようなシミュレーション的小説要素が強いとも言えるかもしれません。もちろん娯楽小説なんで作者の意向が無い訳はないんですが、そう感じさせる展開の小説を書く人です。
一番好きなのは「闇の奥へ」ですね。
「まるで処女作のような十作目」と書かれた帯が当時印象的でした。とにかくエネルギッシュな物語で、序盤で事件が起こると後は最終ページまで走り続ける。休みなしロマンスなし余韻なし、表紙の絵のイメージが割とそのまま最後まで続きます。主人公のパトリック・ハイドがまたクセのある人物で、職業的使命感はあるけど国家への忠誠心とかそういうものは薄く、あくまで自分の基準で行動するという。トーマスの主人公達はそういう男たちばかりで、そこが好きです。
戻ってこのファイアフォックスですが、トーマス作品唯一の映画化作品ですので知名度はこれがダントツ一番ですね。
映画版はトーマスもいたく気に入っいたそうで、続編「ファイアフォックス・ダウン」の冒頭の献辞で「ファイアフォックスのパイロット、クリント・イーストウッドに捧ぐ」と書いているほどです。
また小説と映画はやはり結構味付けが異なっており、小説は前述の通りシビアな展開が基本ですが映画は要所要所甘い(というか救いを感じる)展開がありますね。またクライマックスの展開の仕方は大きく異なっており小説版はロシア語関係ないです。小説版の内容は映画にするのはすごく分かりにくいので映画版の展開は分かりやすくしていて正解だったかと思います。
小説ではミッチェル・ガントもシリーズとして続いており、上記の通り続編「ファイアフォックス・ダウン」がまずあります。
後付けの続編というのは大概つまらないものが多いですが、これは成功した部類じゃないかと思っています。
その後はヘリコプターにのる「ウィンター・ホーク」、ジャンボジェットに乗る「ディファレント・ウォー」とあります。4作目なんてジャンボジェット相手だから気の抜けた話になるかと思いきやそこはトーマス、言うことを聞かない巨大機と格闘する操縦士という描写で魅せてくれます。
映画版も好きで何度も観ました。テレビ放送の山田康雄さん吹替えのがまた格好いいんですね。
昔は随分よく放送されていて、結構吹替えの台詞が変わっていたような記憶があります。最初の頃は「ロシア語で考えるんだ」と言いながら日本語だったのが、次の放送の時はちゃんとロシア語で喋ってたり。一番最後に「これより帰還する、ビールを冷やしといてください」なんて軽いセリフがあったりなかったり。随分昔の記憶なんで怪しいとこもあるんですが、どうだったかなあ。
なんでも昨年秋くらいに久しぶりのテレビ放送(日本語吹替え)があったそうで、知らずに録画できず残念な思いをしました。
というかダーティハリーみたいに日本語吹替え付きのブルーレイ出してください。
ということで製作記はまた次回で。


