タミヤ 1/100 A-6A イントルーダー 2020年製作

 

先の1/72ファイアフォックスと並んで思い入れの強い作品です。ブログのプロフィール画像にも使っており、いろいろと新しいことを試せたのもあって今のところこれが一番のお気に入り作です。

 

また前段として小説・映画の話になりますが。

これを作るにあたってスティーブン・クーンツ著「デビル500応答せず」(原題「Flight of the Intruder」)という小説をモチーフにしています。

本書を読んだのは高校生の頃でした。エリア88などで戦闘機に興味を持っていた自分に友人が薦めてくれた本で、それまで今で言うラノベ的な本ばかり読んでた自分が洋モノ小説にどっぷりハマり、その後にマイフェイバリットのクレイグ・トーマスを始め数々のサスペンスやミステリ、SFなどの名作群に出会う転機となった思い出深い本です。

 

本書はベトナム戦争で戦ったA-6イントルーダーのパイロット達の物語です。作者のスティーブン・クーンツは自身がパイロット経験者で実際にベトナムでA-6を飛ばしていたそうで、若者たちの他愛のない日常や戦場の緊張感など経験者ならではのリアリティを感じます。

戦争小説ですが戦闘ばかりしている訳でもなく青春小説の要素もあり、人間ドラマが本筋です。

愛国心に満ちて戦場に向かったはいいが戦争の現実に直面して悩み、政治判断から重要拠点を避けられ何も無い森の中への攻撃命令に命を懸けさせられることに怒り、死に怯えて酒に溺れ馬鹿騒ぎを行い、といったベトナムに従軍した若者達の様子が活き活きと描かれます。ベトナム戦争の是非はここでは語りませんが、そこに生きた一人一人の人間達の描写がとても魅力的です。

 

そしてA-6。最初は「えーA-6なんてタマゴみたいでカッコ悪い」なんて思ってたんですが、読み進めるうちに大好きになっていきました。劇中の主人公の台詞「機種がずんぐりしていてあまり美しい形とは言えないけど、飛ばしたら最高の飛行機だよ」と今では同じ気持ちです。また小説の表紙のA-6のイラストが実に格好よいです。

 

本作は映画化もされました。

「イントルーダー 怒りの翼」

最初にこの邦題を聞いた時に違和感を覚えたものです。そんな安直な話じゃなくない?いや確かに煮え切らない上層部への怒りとかそういうのはあるんだけど、そう単純じゃなくてもっとこう・・・みたいな。

正直言って映画版は良いと思えないです。あらすじだけ見たら概ね原作通りなんですが、人物描写が浅くてもっと単純で一面的な人間像になってしまっている感があります。2時間という枠に収めるのは無理なんだろうとは思うんですが、重厚な人間ドラマからだいぶ安っぽい戦争映画になっちまったなあという印象です。

もし映画しか観てないという人がいたら是非とも原作を読んで頂きたいです。

とは言え、A-6がバンバン飛ぶので資料的価値は高いです。あのずんぐりむっくりがヒラリヒラリと舞う姿は実に美しい。

 

まあそんな訳で、イントルーダーを作ろうと決めた際にはこの小説の機体として作ろうと決めておりました。

機体番号は500、原作での主人公の最後の搭乗機です。

 

実際の製作記は次回で。