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10月8日 水曜(山梨、長野編)
誰もいない真っ暗なキャンプ場は寝付くのに時間がかかったが雨も降らずトラブルもなく、キャンプ初の成功と言えた。ただ、キャンプが好きになるにはもう少し時間がかかりそうだ。
本日の予定は、長く滞在した東京に別れを告げ奥多摩を通り山梨県、長野県へ向かう。
まずは7時30分頃、青梅市内のマクドナルドで朝食をとる。マクドナルドはこの旅に於いてかなりの利用回数を誇ったのだが、この青梅店が第一回目の利用となった。
マクドナルドでしっかりと宿泊の疲れを癒したところで出発し、少し走っていると気付いたことがバイクの集団をよく目にすることだ。
それもそのはず、奥多摩はツーリングスポットとしてかなり有名だ。都会の雑踏から数十km離れれば、そこにあるのは緑に包まれた秘境。道路の造りもかなり曲がりくねった道が多く、バイク乗りから見れば走って楽しいコースだと思った。
実は奥多摩も以前四輪で訪れたことがあったのだが、湖の方までは行っていないしそもそもほとんど記憶にないので初めて走るに等しい。
それにしても走っていて思ったが、追い越し可能な道路がかなり少ない。カーブだらけだから仕方のないことだがほとんどがオレンジラインである。
この日はたまたま交通量があまりなかったから良かったものの、もしこれで前に土砂を積載した低速のダンプや後ろを一切気にしない遅い車、あるいはクラシックカーなどが走行していたらどうすればよいのだろう。黙って後ろを走り続けるしかないのだろうか。
私の考えだが、追い越し禁止でのこういう場合は前の車がなるべく後ろを先に行かすために左ウインカーを出して譲るとか、とにかく追い越し禁止でも速く走っている車が追い越しをせざるを得ない理由を作ってやるべきだと考えている。
前の車が左ウインカーを出して減速した以上は後続は必ず追い越すのだから、それで別に問題ないと思う。
少し関係ない話をするが、かなりの車が追い越し禁止だけは素直に遵守している。
もちろんオレンジラインの追い越しは道交法違反なのだから追い越しはできなくて当然なのだが、普段ロクにウインカーも出さず出したとしても曲がる直前。そして少しでも前に出ようと死にかけの心電図みたいに鬱陶しい車線変更の連続。左折の時に無意味に右に膨らみさらに周りの交通の考慮もできず、交差点での優先順位も理解せず、自分勝手な割り込みや、挙句の果てには大きめの交通事故現場を通ると嬉々として携帯電話を向けて撮影したり、少し先の信号の判断もせず無駄に加速して結局100メートル先ですぐ停止するような運転を繰り返していても道交法だけはキッチリと守るというのなら、それは大変スマートな大人の運転と言える。私もそのような素晴らしい考え方は見習わなくてはならない。
話を戻すと、奥多摩湖を過ぎて山梨に入るときの下りの道が大変良かった。
北海道に例えると糠平国道のような天空に橋がかかっているような感じの道で、本州の道路はやはり魅力的だと感じた。
山梨に入って最初に訪れた駅は山梨市駅で、○○市駅というこのような名前の駅は北海道にないのでかなり違和感があった。これから先、各地でこの○○市駅を訪れる事になるので、こちらではこれは珍しくないようだった。
山梨市駅を後にし、山梨県で最も規模が大きいと思われる甲府を訪れた。甲府はなかなか栄えており交通量も多く、住むにはとても良さそうに感じた。




甲府ではあまり長い時間滞在せず、続いては長野県の松本市へ向かう。
そもそも今晩の宿泊の予定は上高地でのキャンプだった。松本を回ってから上高地へ行くとなるとかなりの時間を要することになるので、ここは高速道路を利用することにした。
高速道路はやはり快適である。普段市街地であまり速度を出せない分余計に高速道路が気持ちよい。
サービスエリアも大きく、やはり本州は違うなと感じる。
北海道で規模が大きいSAとなるとせいぜい少し広い食堂とセイコーマートが併設されているくらいで、本州のようにSA自体が目的となるようなことはまずないだろう。
高速道路を走っているとあっという間に目的地にたどり着く。ここまで快適に早く移動ができると、やはり金を払っている恩恵はしっかり感じられる。
到着した長野県の松本も甲府と同じようにのんびりした過ごしやすい感じの街並だった。

もちろん松本の名物といえばやはり松本城。私は元々城に全く興味が無かったので別にそれほど見たいわけではなかったが、松本に行っておきながら松本城に行かないとなると、後で人に話した時に怒られそうだったので向かうことにする。
上記の通り私は今まで日本の城のことを全く知らなかったので、松本城がどのような評価をされているのかも知らなかったが、松本城は国宝とされていると甲府の人から聞いた。なるほど、確かに感動的なほど立派だ。外国人観光客がたくさん訪れているのも納得できる。私はこの時初めて城の良さが少し理解できた。これ以降、旅の途中城という城はとりあえず訪れるようになる。
この写真は青空が綺麗すぎてなんだか城が模型に見えてしまうが、紛れも無く本物の城だ。
期待していなかっただけに満足度が高い。今まで興味がなかったのはもったいなかった。しかし城内は有料で金はバイクに置いてきたので入っていない。
本来の予定ではこの後上高地に向かう予定だった。しかし、予定のキャンプ場はチェックイン時間が決まっており、それを過ぎると管理人がいなくなってしまい入れなくなってしまう。時間的にはもう間に合いそうにないし、それ以前に、ただでさえ好きでないキャンプをしに今から松本を出て上高地に向かう気になれなかった。
予定を変更し松本の自遊空間で宿泊することに決めた。自遊空間は全国どこにでもあるのが本当に助かる。
これで時間的に大きく余裕ができ、かなり気持ちにもゆとりができた。
とりあえず適当に晩飯をとる必要があるので、ガストでハンバーグを食べた。一人で入りやすいファミレスはこういう時重宝する。
ガストを出た後は何を買うわけでもないがなんとなく大きめのスーパーに向かった。
スーパーの駐輪場にバイクを置き、店内に向かおうかというところで通りかかった女性が声をかけてきた。
その女性は私と数分間話をした後、連絡先を教えてくれた。札幌ナンバーで本州に滞在しているのだから、今までも人から話しかけられるのはさほど珍しくないことだったが、このように連絡先まで教えてきたのは初めてだったのでかなり嬉しかった。
しかし、積極的に人とコミュニケーションを取ることができない私は連絡する気などなかった。事実、この後に数日だけ話をしたのだが予想通りすぐに連絡はしなくなった。とりあえず宗教の勧誘等でなくてよかった。
それでも、マンガ喫茶に行って寝るだけで特に何も起こらないはずだったあの時間にランダムイベントを提供してくれたあの女性には感謝している。
22時頃自遊空間に到着し翌日に備えてさっさと寝た。この日最も良かったのは、奥多摩と山梨の間に通った道と、甲府の駅前の街並、そして高速道路だろうか。
これらが良く感じたのも天気が良かったおかげだ。翌日は富山の高山を通り石川県金沢市で待ちに待ったホテル泊の予定だ。今日と同じように天気に恵まれることを願う。
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