牧野由多可のマンドリン独奏曲 | Tea Time

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くつろぎの場に・・・

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第10回牧野由多可賞 作曲コンクール本選と作品展を聴きました。

本選に進んだ作品は二曲。

一つはアルトと三味線。母音を取り上げた詩に歌がつけられ、三味線が伴われます。作曲者は邦楽初挑戦だそうです。三味線の奏法や合いの手の間の取り方など、すばらしかったです。

もう一つは尺八独奏。作曲者自身も尺八を吹けるとあり楽器の特徴を実に研究されていて、様々な吹きかたを駆使していました。また、尺八を鼓のように叩くなど通常はしないような扱いがあったり、時には床に足を打ち付けたり「オー」と声を出したり。聴衆側も集中力が切れることなくその世界に浸りました。尺八奏者の方のパフォーマンスもブラボー!でした。

結果、審査員全員一致で尺八の作曲者高橋一寿氏が見事大賞を受賞されました。おめでとうございます!

審査員代表の西村朗先生の講評は大変興味深いものでした。


また、作品展のほうも大変充実したステージでした。尺八・三絃・Ⅰ箏・Ⅱ箏の四重奏、箏・十七絃の二重奏、そして息子のマンドリン独奏。「春雪のバラード」と「マンドリンの為のエッセイ」の二曲です。

プロ奏者による絃や箏の四重奏や二重奏は素晴らしいアンサンブルで、とても迫力のある演奏でした。音量も大きいこともあり、その後に息子一人のマンドリン独奏はどうかなあ、とやや不安がありました。しかしマンドリン独特の通る音色が活かされ、残響の少ないホールでも充分音を届けることができました。

日本人ならではの独特の「間」や歌い回し、微妙な音色の違いなど、良いパフォーマンスができたと思います。最後に代表の方のステージでのご挨拶の中で「本日のマンドリン演奏を聴いて、改めて牧野由多可先生は素晴らしい曲をお書きになったと思いました」とお話になられたことは、演奏者にとっても光栄なことだと思います。

大変貴重な経験をさせていただき、ありがたいことです。息子は打ち上げ会にも参加させていただいたので、後からいろいろ話を聞くのが楽しみです。

会の皆様、お世話になりました。