人から見れば 大したことないのかな~
いやあ~対して事あると思う…
本当は思い出したくない…
せおてんにとったは、かなりハードでダークな内容
辛かった過去の一部…
せおてんが始めてアルバイトをしようとした時の話
私立の高校に行くことになったせおてん1年生
自分の小遣いぐらい稼がないと思っていて(母はいつもお金がないって言ってた)
学校帰りにアルバイトしたいから 少し帰宅が遅くなると話した
帰宅が遅くなる正当な理由に 自由になったような感じで
何をやろうかとわくわくしながら考えていた
数日後 母が
「お父さんの知り合いの店で働かせてくれるってよ」と言った
初めてのアルバイトにドキドキしながら
父に連れられて行くと
ちょっと裏に入った道の奥
怪い薄暗い看板
父は、躊躇なくドアを開けた
ここ??
ドアを開けると左側がカウンター
そこには 数人のお客
右側には2つのテーブルと椅子だけ
薄暗い照明に クリスマスの飾りみたいなのが天井から下がっていて
サテンのチャイナ服を着て
パサついた髪をアップにした
真っ赤な口紅の女性がそこにいた
「いらっしゃい~」大きな声が響いて
店の中のお客さんがこちらを一斉に見た。
思わず下を向いた
そこは バー
「帰りたい…」
でもそんなことは言えなかった…
深くスリットが入ったチャイナ服の派手な女性はママと呼ばれていた
その女性と父は 親しげに楽しそうに話している
どんどん アルバイトしていく方に動いていく…っていうより
決まってた
後ろから押されるように、そこの2階に上がっていく
泣きたい…ような
恥ずかしい…ような
悔しい…ような
裏切られた…ような
いろんな思いに潰れそうな自分を耐えることで精いっぱい
嫌だ…
せおてんの味方はいない…
チャイナ服のママは
自分と同じような
身体にぴったりした深いスリットが入ったチャイナ服を出した。
首を振った
「絶対に 嫌です!絶対着ない!」それだけ言った
恥ずかしくて死んでしまいそうだ
「かわいいのに~それじゃこれ」と言って
ワイシャツとネクタイを出してきた
この方がまだましだ と 思った
ボーイの姿になったせおてんは、少しだけ ホッとした。
でも…
階段を下りていくと
父はカウンターの中にいて料理をお客さんに出していた。
楽しそう顔で お酒を飲みながらこちらを向いた
「かわいいでしょう~」ママが言うと
酔っぱらったお客も
「かわいいね~」と口々に言った
にこりともしないせおてんを見て「若いってかわいいね~」
「俺の娘なんだ 」
「娘って言って彼女じゃないの~」
父とお客のくだらない酔っぱらいの会話が続く
心は泣いていた…
でも…
泣きたいのに泣いてなかった…
その日からバーのカウンターのアルバイトが始まった。
せおてん 一言もやるとは言ってなかった…
思い出すのも苦しい
泣けてくる…
また次回に
感謝
せおてん