人は一心不乱になりさへ(え)すれば何事へ臨み(のぞみ)候(そうろう)てもちつ(っ)とも頓着(とんちゃく)はなく、
中略
世の中に如何に難題苦患(なんだいくかん)の候ても、それに退転して不忠不孝無礼無道等(ふちゅうふこうぶれいむどうとう)仕る(つかまる)気遣ひ(い)はない。
訳
人は一つのことに心を注ぎ、他のことのために心乱れることなくなりさえすれば、
何事に臨んでも深く気にかけるということはなくなる。(中略)
世の中のどんな難題や苦しみ・悩みに遭ったとしても、それで心がくじけて不忠・不孝・無礼・
無道などの状態に陥ってしうまうことはない
吉田松蔭