少し息をして頭の中ではこれまでのこと、これからのことを色々と考えています。
*発表会の選曲
数年前までは圧倒的にクラシックやオーソドックスなピアノ曲がプログラムを占めていました。
お手伝いに来てくれたOGの子が、
「クラシック弾く子少なっ
」

と言っていました。
またある子は、
「知っている曲がたくさんあって眠くならんでいい
」

とも。
選曲の際、子ども達の希望を尊重しています。難易度のアドバイスはしますが。
その結果がこうなっているということは、子ども達はこういう曲を弾いてみたいと思っているということも伺えます。
ピアノが嫌で辞めてしまったという面識のある中学生の女の子と話す機会があった時、選曲を本人にある程度任せていると言うと、かなり驚き羨ましがっていました。
「いいな〜」と。
数年前、移籍してきた子も、当初やりたい曲はないか聞くと困っていました。今では自分の意思を言ってくれるようになりました。
私自身はどうかというと、本当はオールクラシックプログラムでやりたい気持ちもあります。
でも…ポピュラーの希望も叶えたい気持ちもあります。
それぞれの選択でピアノ曲をやった年、あまり達成感を感じていない感じがした子もあれば、長く弾くうちポピュラーに物足りなさを感じているように感じた子も。
やはりそれぞれ好みや求めるものは違います。
*アレンジ・長さの選択
人前が平気、かえって燃えるタイプの子もいれば、考えるだけでドキドキ、人前に立つのが苦手な子もいます。

「この曲は去年のより難しいの?」
ととても気にして聞いてくる子がいました。
普段練習はあまりして来ないので、練習量、力量、好みを考えて選曲した中のひとつを自分で決めて弾いた曲。
それからも、上級アレンジを希望することが多いです。完成度以上に難しいのに取り組むことに達成感を感じるタイプ。
本人が望むならばそれも有りかなと思えるようになりました。

選曲も、そんなに難しいもの、長いものは求めていません。緊張の中、ステージに立ってやりきることで気持ちはいっぱいいっぱい。
実はきちんと力もつけてきているのですが、もう一年、二年、心が強く逞しくなるのを見守ってから背中を押してあげたいと思います。

かなり早い段階で一度、転調部分からそのまま転調せずに出来る提案をしました。
「どうしたい?」
の問いに、そのままやることを望みました。
その後刻々と迫るリミットに、指導者としての葛藤を抱えながら、でも、ここはどうしてもこの子のこのままやると言ったその気持ち、プライドを守ることを選択した方がいい時だと最後まで応援を続けました。
大人しい子にも内なる闘志があり、そこは大事にしてあげたいです。
*それぞれの音楽
使用するテキストはほぼ共通しています。
取り組み方は様々。
発表会前のレッスンまで並行してやりきっていた子もいれば、発表会は参加せず学校の伴奏に専念した子もいます。


でも、私は気に入っています

一度に色々詰め込んだり、追われてやるのがダメなタイプです。
小さい頃からどちらかというと、本当に一曲一曲という感じでした。
でも、彼女なりの何かいいものをずっと感じていました。
緩々ながらもちゃんと成長して、伴奏オーデションも突破してきました。読譜力も自立出来ていることを感じました。
グワッと集中して、ユルッと休んで、話して発散して、楽しんで弾いて。
これが彼女なりの音楽との付き合い方。

そう話していたことを、思い出した。
そしてB校に通っていることにもハッと気づいた。
「実は、寮に入るとピアノ続けられないから、自転車で1時間かけて通うことを本人が選択したんですよ。」
とお母様から伺いました。
汗だくになってレッスンに来た日々が浮かんで来ました。そのうち朝8時半から来るようになりました。
部活に遅刻したり、早退したり、出来る範囲で調整して、汗だくになってやってきました。
大したことはやってあげられていないのに、そこまでして続けようとしていてくれたことに改めて気づかされ涙が出ました。
色々想い、今また自分の立ち位置を見つめ直しています。
さらなる前進の為に、始動することを決めています。
来週からひとつ。
年明けからひとつ。
必ずみんなに還元します。
どうして続けるのか…
やっぱり音楽が好きだから
子どもが大好きだから
やめられない。