ルームメートとの共同生活も今年で最後かな、と思うと少し寂しい。実は5月くらいからルームメートの1人ジュリと少しいざこざがあって、なんとなく疎遠になっていた。今日やっと2人の時間ができたので、お互い正直に考えていることを話すことにした。
 あちらの問題は私が予想していた通り、私の側のコミュニケーション不足。こちらの問題はあちらの不衛生と騒音、それに加えて不満を私ではなく友達や彼氏にぶつけるというジュリの癖にあった。そもそも今回私から口火を切ったのは、彼女の愚痴をたまたま耳にしたから。
 声を上ずらせながら彼女が頻繁に口にしたのは「普通は」、「イタリアでは」、「学生社会では」という言葉。自分をマジョランツァ、私を異端の側において、自己正当化しようというわけ。こういう姿勢を崩さない限り問題は1つも解決しないと思ったので、まずはその話に1時間。こういう相対的な考え方を受容できさえすれば、後はすごくシンプルに行く。「私はなるべくジュリやヴァレと一緒に時間を過ごすようにして、ジュリはもう少し掃除を気にして、問題があれば私に直接言うようにする」ということで、一件落着。
 そういえば最近忙しくてルームメートと全然話をしていなかった。自分の仕事で頭が一杯で、無意識の内にそれ以外の問題を表面化させることを避けてきたのかもしれない。五月蠅ければ耳栓をして、汚れていれば片付けて、どうしても我慢できなければメモに書いてお願いする。私のそういう態度に傷ついたというジュリの言葉は結構重たかった。共同生活に最低限のコミュニケーションが必要なのは確かだと思う。