昼過ぎにTrevisoトレヴィーゾを発ち、Coneglianoコネリアーノを越え、Piancavalloピアンカヴァッロ周辺の2000m級の山に車で登り、Cellinaチェッリーナ川のダムの畔の町Barcisバルチスに向かった。ピアンカヴァッロの辺りからフリウーリ=ヴェネツィア・ジューリア自治州の中に入るのだけれど、州内でもポルデノーネ県はフリウーリと言うよりはヴェネトの文化圏に入るらしい。
 ピアンカヴァッロはよいスキーが幾つもあるそうで、夏場は登山、保養客で賑わっている。この日は大きな白い犬を4,5匹連れた子供の集団(スカウト?)とすれ違ったりした。山からは州の平野を見渡すことができるはず、だったんだけどこの日は曇っていて霧があり、残念ながらあまりよい眺望ではなかった。
 バルチスの町にはこれといった産業もなく、人々はフランスなどに出稼ぎに行くのが常らしい。私たちが町に入るときもフランス・ナンバーの車とすれ違ったのだが、友達曰く、観光に来たフランス人ではなくフランスに出稼ぎに行ったバルチスの人の里帰りの車だということだ。バルチスはダムというより湖畔の町のようで、小さく落ち着いたところだった。ここにはゴリツィアやトリエステの人は来ないんだよ、という友達に理由を聞くと、昔は(今もなかなか…)アクセスが困難で、ガイドブックなどでも紹介されていないから、と答えた。「じゃあどうしてここを知っているの?」と聞いたら、昔商売をしていた父親がバルチスのホテル経営者に貸しを作り、その回収のために家族で一夏滞在したところすっかり気に入り、翌年からは「お金を払って」子供達とその養育係だけ滞在するようになったのだそうだ。
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(バルチスの人造湖)
 湖(ダム)では町の子供達が水着で遊んでいた。ビールを頼んだバールは湖を望むなかなかステキな立地だったにも関わらず、観光度ゼロ。
 帰りは刃物製造で名高いManiagoマニアーゴ、ヘビー級世界チャンピオンを輩出したSequals、Spilimbergoスピリンベルゴ、近年エノガストロノミーで革新的な成長を遂げたFagagnaなどの町々を通って帰ってきた。
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(バルチスのバールからの景色)