早々にアパートが決まったので、その日の宿、馴染みの女子寮で少し休憩し、ノヴァ・ゴリツァでオープンしたばかりの友達のレストランの様子を見に行くことにした。センターから少し外れた所にあるので、彼らに迎えに来てもらわない限り辿り着けないのが問題。
 木曜の7時前の店は閑散としていた。カウンターバーに若い人たちがいるばかりで、食事客はいなかった。週末はテーブルが埋まるそうだけれど、こういうのを見ると飲食業の大変さを実感する。彼の奥さんは隣のスーパーマーケットを仕切っており、息子2人は新しいレストランに入り浸ってあれこれ新しい試みに挑戦中。しばらくしたらレストランの規模を拡大し、ホテルまでオープンするというから驚きだ。家族4人でここまでやるなんて。
 スロヴェニアの高名なワイン産地ブルダでもこの数年ワイン農家がバー、レストラン、ホテル、と次々に経営を拡大している。この友達はブルダに長く住み飲食業に携わってきたから、こういう経営手法をよく心得ているのかもしれない。それにしてもよほどオプティミスティックじゃないとこんな仕事はできないな~と思う。
 彼らの新しいレストラン「ダム」について。息子2人は最先端のミュージック・バーの雰囲気にしたいらしく、音楽や照明、インテリアなどを試行錯誤しながら改良している。彼らの父親はブルダでスロヴェニア1と言われたレストランを経営していただけあり、スロヴェニア・ワインの充実ぶりがすごい。オープニングパーティのときにブルダの一流ワイナリーの人たちがお土産にいいワインをプレゼントしてくれたのだそうで、リストにあるブルダ産ワインの「質」だけ見るとリュブリャナのAs以上かも。上の息子は新しいモノに目がなく、前菜には寿司まである。油っぽい伝統料理を出す店が多いスロヴェニアにしては、軽めで健康志向なイタリア+スロヴェニア料理がかなり抑えめの値段で楽しめる。コックはスロヴェニア人、イタリア人、ボスニア人の3人に増えており、メニューは週替わり。雰囲気はカジュアルで、スロヴェニア価格(ランチ5ユーロ!)、料理はイタリアあるいはリュブリャナ並みの店。歩いていける近所だったらちょくちょく食べに行くのにな~。