芥川龍之介の「幻」の遺書が4通発見されたという記事を読んだ。遺書が何通か残されたという話は聞き知っていたが、現実に目の前に現れると、感慨深いものがある。以下はその記事の抜粋。


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「わが子等に」芥川龍之介の“幻”の遺書4通発見 7月18日 読売新聞


「将来に対する唯(ただ)ぼんやりした不安」という言葉を残して自殺した作家、芥川龍之介が妻や子らにあてた遺書4通が、東京都内の遺族宅から見つかった。東京・駒場の日本近代文学館で研究者らを対象に初公開される。「わが子等(ら)に」と題した遺書では、「一 人生は戦ひなることを忘るべからず」と記した後に、「死に至る」という言葉を「戦ひ」の前に挿入するなど、生涯最後の推敲(すいこう)の跡がありありとわかる。遺書は、紺色の線で縁取りがされた愛用の松屋製の200字詰め原稿用紙に、黒色のインクで書かれていた。同文学館の中村稔理事長は「肉筆からは、芥川さんが死に向かっていく気迫をつくづく感じた。一見書き流しているようだが、書体はきちっとして乱れがない。死ぬということの覚悟は、これほど強いかと思う」と話している。芥川が残した遺書は6通あり、内容は、すべて全集に収録されている。そのうち「僕は勿論(もちろん)死にたくない。しかし生きてゐるのも苦痛である」と記した友人の小穴隆一あてのものと、妻あての遺書の断片は同文学館に保管されていたが、それ以外は、「直ちに焼棄せよ」との遺言に従って、ある時期に処分されたと考えられ、幻の存在となっていた。 しかし、この春、孫の芥川耿(てる)子さんが自宅を整理したところ、「生かす工夫絶対に無用」と書かれた妻の文子さんあて遺書2通と、「若(も)しこの人生の戦ひに破れし時には汝等(なんじら)の父の如(ごと)く自殺せよ。但(ただ)し汝等の父の如く他に不幸を及ぼすを避けよ」など8か条からなる3人の子供あて遺書、さらに菊池寛あて遺書の4通が見つかり、5月に文学館に寄贈した。

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いずれ見物できる機会もできるであろう。それまでしばし待つとしよう。