数日前から塩見鮮一『四谷怪談地誌』(河出書房新社)を読み始める。これが面白くて、まるで歌舞伎の舞台を観ているかのような錯覚さえ生ずるほどで、通勤時間だけでは少々物足らぬので、昼食時間も飯を忘れて没頭している。そろそろ怪談本がぞくぞく登場する時期だけに、先陣に相応しい内容といえよう。こちらの詳細はまたの機会に。


読書中の本があれど帰りに本屋に立ち寄る。この日課は変わらない。財布の資金が乏しいこともあり、角川文庫から先日出た京極本を買うか迷う。まずは『覘き小平次』。山本周五郎賞を受賞した本作品は、すでに単行本時に読んでいるが、文庫本表紙絵がこれまた荒井良氏の妖怪張り子だけに触手がのびるのだ。それに単行本と比較して、加筆訂正がおこなわれている可能性は大なので悩ましいのである。次いで『対談集 妖怪大談義』。これも読了済みだが、今度の文庫には対談がお一人追加されている。やってくれるのう。あれこれ悩んでみたものの、結局、山の怪談特集の『幽』と『日本妖怪大百科』の最終号だけ買って帰ることにした。