先日は詳細を伏せていた書籍復刻の話であるが、このたび、正式に書籍の刊行が決定となったので途中経過をお知らせしたい。


復刻する雑誌は、あの梅原北明が携わった『グロテスク(GROTESQUE)』(全21冊)である。この雑誌は昭和3年11月から6年8月まで、何度も発禁処分を受けながらも、グロテスク社、文藝市場社、談奇館書局などと当局の弾圧をかわすために発行所をかえながら、出版し続けたことで知られている。


発売元の三一書房担当者と編集を担当される蒐集家の方と直接お話ししたところ、今秋オンデマンドで刊行を予定しているそうである。発行元の三一書房は、『香山滋全集』や『海野十三全集』を刊行したところでもあり、知る人ぞ知る出版社である。しかも今回の収録内容が驚きで、製本中押収されたため、ほぼ入手不可能と思われてた、昭和4年6月発行分が収録されるというのだ。恐らく国内の残存数は数点しかないと思われるものだけに、これが掲載されるだけでも、貴重なものとなるはずである。小生は、最終巻と、その他内容確認のため数点、合本1冊の協力を予定している。最終的には全10巻にまとめて提供予定だそうだが、北明が「張門慶」名義で発行した『カーマシャストラ』も同時収録予定だという。これはお得感満載である。進行次第、また報告していきたい。




昭和4年11月発行、文芸市場社五周年記念特集号、第二巻 第十一号


こんな可愛い表紙デザインの雑誌が発行されていたのだ!