いつまでも春眠暁を覚えずでもなかろうと思うのだが、眠さが抜けぬ。しかも昼になっても夕方になっても眠いというのだから始末に困る。そんなふわふわした一日を送った。起き抜けにヤンキースとエンジェルスの試合を観てから、またもや『ブンブン堂』を読み直し、大笑いをする。やはり何度読んでも面白い。特に「古書街の人々 火災訓練篇」と「フランス語みたいな記憶」では同じツボで吹き出した。それにグレちゃんの愛猫「若旦はん」がこれまたよい。しばらくウトウトした後、先週買った「週刊ポスト」をペラペラめくる。あの会津首切り事件の記事に目を通す。事件を横溝正史の作品と関連づけていたけれど、それもなんだかなあという感じ。ここでまたウトウトしだして、気がつくとつけっぱなしのテレビから日本ダービーのファンファーレが聞こえてくる。さほど興味もないが、何気なしに流れる映像をながめていると、珍しいことに牝馬が優勝してしまった。そんな勝負の感動よりも、馬体の美しさに目を奪われ、綺麗な馬はいいもんだなあとしみじみ思った。すっかり目が覚めたところで、先日『ブンブン堂』とネットで一緒に買った『近代日本心霊文学セレクション 霊を読む』(蒼丘書林)を開く。すでに馴染みのある井上円了「おばけの正体」や川端康成「慰霊歌」なども含まれていた。どれを読もうか迷った末に短文だったので、芥川龍之介『近頃の幽霊』を流し読み。龍之介の霊に対する関心の高さは有名だが、戦争文学と怪談との関係に関心を寄せているところは新鮮で興味深く読めた。そうこうしているうちに気づけば、外では夜の帳が落ちている。明日の今頃はアンダーグラウンド・ブック・カフェである。どんな出会いがあるのか今から楽しみである。


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