ムギュッです。

今日はテーマは物理学です。

 

っておまいら、ブラウザバックやめれ!!

 

 

環境問題、エネルギー問題、生命の謎といったテーマを物理学の視点で捉えてみました。「物理学ってなんですか?」という人も、物理学を勉強中の学生さんも、みんなが楽しめると思いますYO!

 

 

 

序章 砂の山

 

僕が小さい頃、実家の近くにある公園の砂場でよく砂山を作って遊んでいました。今になって考えると何が楽しいのかわからないけど、子供とはそういうものです。でも、せっかく砂山を作っても3日もすると山が崩れて元の平坦な砂場に戻っています。

 

原因は色々だけど、例えばで崩れたり、近所のガキんちょが踏んづけたり、といったところでしょう。僕は崩れても諦めずに山を大きくし、何日もかけて自分の身長くらいの山を造った事を今でも覚えています。山は小さな僕にとって「価値あるもの」だったわけです。

 

 

第1章 混沌に向かう世界

 

ところで、世界は混沌に向かって変化する、という話を聞いた事あるでしょうか。「混沌」というのは少し怖いイメージがあるけど、これは物理学の用語で「無秩序な状態」と表現する場合もあります。混沌に向かう、というのは無秩序な状態に向かう、ということで、これは「エントロピー増大の法則」という基礎的な物理法則です。

 

エントロピー増大の法則というのは、簡単に言うと色んなエネルギーはみんな最後は「熱」になってどこかに行っちゃうよ、という意味です。最近ではこの法則をもう少し広い意味に捉えても科学的な議論に支障がないので、世界は混沌に向かって変化する、なんて言い方をしたりします。

 

何だか難しそうだけど、簡単な例を見ていきましょう。

 

 

 

動かしても止まる

 

テニスボールを 1m くらい持ち上げてあげると、テニスボールは高さに応じて位置エネルギーというエネルギーを獲得します。持ち上げた手を離すと当然下に落ちます。位置エネルギーは運動エネルギーになってボールが下に動くわけです。

 

でも、落ちたボールは何回か跳ねた後に静止します。昔流行ったスーパーボールだってよく跳ねるけどいつかは止まります。

 

この時、ボールの運動エネルギーは消えたのではなくてになっています。ボールや床が少し熱くなるのです。ボールが床にぶつかったときが出るので、一部は音のエネルギーになって、それもいずれ熱になります。熱になったエネルギーはどこかに飛んでいってしまいます。

 

走っている車がブレーキで止まるのも同じです。ガソリンの爆発から運動エネルギーを作っても、みんな熱になってしまいます。

 

この、熱になった状態を「エントロピーが増大した」というわけです。そして、熱になったエネルギーを運動エネルギーなどに戻す事は出来ません。タイヤを火で熱くしても車は動いてくれません。

 

 

 

一様な状態になる

 

鉄の棒の一旦を火で熱して放置すると、いずれは温度が均一になります。この均一の状態が「無秩序」の状態です。無秩序の状態になると、自然に秩序状態に戻ることはありません。温度が均一の鉄の棒を放置したら何故か一方だけ熱くなる、なんて事は有り得ません。

 

オナラをすると最初は臭いけど、直ぐに臭くなくなります。何でかというとオナラのガスが周りの空気に混ざって一様な状態、つまり無秩序な状態へと変化するからです。これも元の秩序状態に戻ることは無いです。オナラをして1時間後にまた臭くなる事はないのです。

 

これらもエントロピーが増大する顕著な例です。世界はいつも混沌に向かって変化するわけです。

 

 

 

物が劣化する

 

僕はガラスのコップはすぐ割れるからあまり買いません。ガラスが割れるのは、日常に目にするけど割れたガラスがいつの間にか直ったという光景は有り得ません。ガラスのコップというのはエントロピーが低い状態、つまり秩序ある状態です。割れた状態は無秩序な状態、つまりエントロピーが大きい状態です。

 

洋服も古くなるとほつれてボロボロになってくるし、靴下には穴が空きます。穴の空いた靴下を履いていたらいつの間にか穴が塞がってた、という人がいたら、多分お母さんが直してくれたのでしょう。

 

ビーグルしっぽビーグルからだビーグルからだビーグルあたま

 

基本的にエントロピーが小さい秩序ある状態というのは「価値が有る」状態です。エントロピーが増大した混沌の世界とは、何一つ秩序のない死の世界です。残念ながら、この世界は一方的に混沌に向かって変化します。

 

さらに、時間を巻き戻せない限り無秩序が秩序状態に変化することはありません。あるいは、時間が一方的に未来にしか進まない理由がこのエントロピー増大の法則です。「覆水盆に返らず」という言葉のとおり、逆に進めない事こそがエントロピーの法則の意味なのです。

 

 

 

第3章 秩序を生む力

 

平家物語の「盛者必衰の理」というのは物理学の理そのもので、形あるものはいずれは壊れるし、自然に復元する事はありません。でも、一時的に秩序を生もうとする現象もあります。

 

 

日常に見られる秩序

 

夜空を見上げると美しい星達がいるし、昼間だって空にはいろんな形の雲が浮かんでいます。地上には多様な植物が生い茂り、塀の上にはネコが寝ています。少なくとも、僕らの日常は混沌どころか秩序に溢れています

 

エントロピー増大の法則を自然に解釈すれば夜空に星はなく、雲は周囲の大気に拡散し、地上は山も川もなく一面の砂漠か海といったところです。簡単に壊れそうにない星はともかく、地球という星の表面は自然の造形に溢れています。

 

実は一定の条件を満たす環境下では自発的に秩序構造が生まれる場合があります。その最も顕著な例が生命です。

 

 

散逸構造

 

例えば人間の体は36度くらいだけど、外は20度だったりします。全然一様で無いのはエントロピーの増大の法則と矛盾するように思えます。人間だって自然界に自然発生したわけだし、「神様」が作ったから特別です、などと言っては科学の議論になりません。

 

なんで生物はエントロピーが低い状態を維持するかというと、簡単に言えば高いエントロピーを常に体の外に捨てているからです。もちろん、水分の摂取、栄養の摂取、酸素の摂取というように外部からエントロピーを小さくするためのエネルギーを取り込んでいることも大事です。

 

走ってる車は確かにいつかは止まるけど、仮に外部からずーとガソリンを供給されれば車自体が壊れるまで走り続けます。ガソリンという価値あるエネルギーはドンドン消費され、排気ガスや熱として車の外に排出されます。

 

このようにエントロピーが大きな価値の小さいエネルギーを外部に捨てることで秩序を維持する構造を散逸構造と呼んだりします。散逸構造は珍しい物ではなくて日常的に見ることが出来ます。詳しく説明しないけど、生物に限らず国家、都市、企業、宗教や文化、音楽、銀河、星に加え、人間の心や科学自体も散逸構造の賜物です。

 

※散逸構造は(非平衡)熱力学の分野で自然に誕生した概念が一般化されていったものです。

 

 

 

コーヒー コーヒーブレイク お弁当

 

秩序構造と美

 

幼女を見て美しいと感じる理由は根本的には種を残したいという本能から来ると思います。でも、例えば花を見て「美しい」と感じるのはなんででしょう?

 

花というのはエントロピーの小さい秩序ある構造です。そしてエントロピーの小さい物は基本的に価値が高いものです。真っ暗だったり一様で模様がなかったり、エントロピーの大きい無秩序な物を僕らは美しいとは思いません。

 

もしかしたら僕らはエントロピーの小さな秩序構造が「価値あるもの」であることを本能的に知っていて、それが「美しい」と感じる理由なのかもしれませんね。

 

バーベキュー左バーベキュー真ん中バーベキュー右 おでん左おでん真ん中おでん右

 

 

 

第4章 地球の未来

 

人間一人を取り上げて考えるとエントロピーは小さくて、秩序が維持されています。でも、人間はそのためにエントロピーの小さい価値あるものをドンドン消費してエントロピーの大きな物を外部に輩出します。地球全体のエントロピーはどうなっているのか気になりませんか?

 

 

太陽の恵み

 

もし、地球全体のエントロピーが増大しているなら、いずれ世界は一面の砂漠とか海とかになって生物も死んでしまいます。

 

まず考えるべきは地球の年齢です。38億歳とも言われるこの星は今現在秩序構造の宝庫です。つまり地球のエントロピーは何故か一定にキープされています。これは地球自体が生物と同様に散逸構造であるためと考えられます。

 

地球が取り込むエネルギーは当然太陽のエネルギーです。そして、肝心の放出するエネルギーは熱です。電磁波の形で熱を宇宙に散逸させる事で地球は美しく秩序ある環境を保っているわけです。

 

ところが、太陽による秩序の安定とは別に地球のエントロピーを増大させてしまっているのが僕ら人間です。

 

 

綺麗なエネルギー

 

石油を燃やして得られるエネルギーというのは基本的にエントロピーを増大させます。燃やした石油は元に戻る事はないので当たり前です。これは原子力発電も全く同じです。基本的に太陽の光をベースにエネルギーを作る以外にエントロピーを低く保つ事は出来ません。原子力発電はクリーンエネルギーだ、なんて言う人もいたけど、実際には世界を混沌に向かわせるという意味で正しい手法とは言えません。

 

また「資源のリサイクル」という考え方も物理学的には筋が悪いです。バラバラに砕けたグラスは元に戻りません。ガラスの破片をかき集めてもう一度作り直す事は出来るけど、これは元に戻したのではなくて新しく同じものを作っているだけです。ペットボトル等も同じ事です。

 

材料として割れたグラスの破片を利用するので、ガラスという素材は秩序を取り戻すけど、その工程で大量のエネルギーが必要になるから全体のエントロピーは増大します。割れたガラスの回収に車を使えばガソリンが消えるし、それをまた溶かすために火を使えばやっぱり燃料を消費します。リサイクルというのは言葉の印象と裏腹に矛盾の多い考え方なのかもしれません。

 

基本的には燃やして土に返し、生命の自発的な秩序化を促進する方が遥かにリサイクルという言葉に合致します。理由は簡単で、生命は人間を除いて物をむやみに燃やさないから効率がいいのです。

 

 

地球の未来

 

僕らが結果的にエントロピーを増大させるエネルギー源に固執してしまう理由は他に方法が無いから、とも言えるし、それで大きな問題がないから、とも言えます。主に電力のエネルギーだけど、実際のところクリーンなエネルギーとか、地球にやさしい、という言葉にふさわしい物は現状では存在しないと思います。

 

風力発電とか太陽光発電というのもあるにはあるけど効率が悪すぎて使えないようだし、当面は地球に元からあった石油なんかを燃やすのが現実的なのだと思います。実際風力発電の風車をあちこち設置すれぼお金がかかるし環境にも影響が出そうだし、太陽光発電も同様です。

 

また、この種の問題はしばしば科学的な事実を無視して政治とか経済、思想といった社会的な要因に影響されます。物理学の常識は社会の非常識みたいな所もあって、社会がどういう方向へ進むべきかというあるべき哲学は分かっていても現実の人々の動きはこれに従いません。

 

エネルギー問題にいつもセットで登場する地球環境の問題も同じで、議論に用いる科学的知識が曖昧すぎて宗教に近い物になっています。100年以上前から僕らはえらく物を燃やしてきたのに、なんで今になって急に騒ぎ始めたのかよく分からないけど、大切なのは科学的にわかっている事実と社会的な動きの整合性が取れるかどうかです。

 

ナントカエネルギーを使おう、とかシーオーツーを減らそうとかいったところで政治家も世間もお金の論理で動くばかりで現状ではあまり意味のある議論になっていません。でもお金が絡むと科学は進むというのがあるので、いずれはキチンとした科学の課題として向き合う日が来ると思います。

 

僕が思うのは、生物の仕組みを理解しこれを維持する事が一番直近の課題であるという事です。理由は簡単で生命が地球のエントロピーをコントロールしているからです。

 

 

 

最終章 混沌に咲く花

 

混沌に向かう世界にあってなんで花は美しく咲き誇るのか。実のところ現時点ではよくわかってません。わかっているのは自然の世界には自発的に秩序を生む仕組みが存在している事と、それは一定の条件がそろった環境で必然に起こる事です。

 

地球だけに生物が居るのは水が液体で存在できる 0 ~ 100 ℃に温度が保たれているからです。温度が保たれる理由は太陽からちょうどいい距離にあるからです。太陽が遠いと寒くなって氷になるし、近いと蒸発しちゃいます。地球の大きさも大事で、あまり小さいと重力が足りなくて空気が宇宙に逃げていったりします。いずれにせよ、ある条件を揃えた環境では、自発的に秩序が生まれるわけです。

 

自発的に秩序が生まれる仕組みの解明は現代科学の大きなテーマです。生物といっても所詮は原子とか分子とかの集まりです。そこらに落ちてる石ころと同じ物で構成されています。分子の集団はいつ、どうやって秩序を生むのでしょうか。

 

秩序形成の謎を解く鍵は意外と身近にあるかもしれません。例えば人間が沢山いるとみんなバラバラに動かずに組織を作ります。国が出来て、企業が出来て、構造が生まれます。政治家がいて医者がいて、食べ物を作る人、電車を動かす人、道具や家を作る人がいます。社会秩序の形成は生物の秩序化と数学的には同質の物です。成長する会社と消えていく会社があるのは一方は秩序化の条件を満たしていたから成長しただけです。秩序形成の科学は日常の色んな場面に登場します。

 

世界は混沌に向かう、という法則と、自発的に秩序が生まれる法則があります。このうち数学的に仕組みが記述されている(つまりわかっている)のは前者だけです。このブログでは、ちょいちょい秩序化のメカニズムをテーマに記事を書いて見ようと思います。花はなんで混沌に咲くのか、一緒に考えてみませんか?

 

 

おわり

 

 

 

 

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