[EURO2024予選第5節]ウクライナvsイングランド | シティなび

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EURO2024予選第5節

Group C

ウクライナ1−1イングランド


イングランドのSYSTEM


選手交代:マディソン→フォーデン、ベリンガム→ラッシュフォード、サカ→コナー・ギャラガー


得点者:41分ウォーカー


ウクライナのSYSTEM


選手交代:マトヴィエンコ→クリフツォフ、ヤレムチュク→ドフビク、スダコフ→シドルチュク、ジンチェンコ→ブヤルスキー、ムドリク→ナザリナ


得点者:26分ジンチェンコ


4連勝負けなしとEURO2024出場へ向けて上々の好スタートのイングランド。今節は2位ウクライナと激突。ちなみにこの試合は9月10日に行われました。


で、早速レビュー

イングランドは左WG起用のマディソンがほぼ中央に入るので左の大外レーンのスペースは左SBチルウェルが攻め上がり使う。なのでビルドアップ時の最終ラインは可変式3バックとなる。マグワイアを軸に最終ラインでボールを回しアンカーのライスにはHOスダコフが監視、スダコフがボールの方向へ寄せにいけばCFヤレムチュクがライスの監視に回ったりとマークの受け渡しをしていたのでこのライスの立ち位置でウクライナの前線の守備の立ち位置をピン留めすることでCBマグワイアがボールを運んだり下りてくるベリンガムがライスの横へと移動して出口を作る。ライスに縦パスを入れれなくてもこう相手のプレッシャーラインを突破できるわけだがイングランドは下がる動きのアクションで守備者を引き付けてスペースを作るメカニズムを徹底している。右サイドであればウォーカーが3バック右からボールを受ければ右WGサカが下がって大外にパスコースを確保する。するとサカの下がる動きのアクションでウクライナの右SBを引き付けるので右IHジョーダン・ヘンダーソンが右の背後のスペースへ流れる。この仕組みはSYSTEMの構造上イングランドの433とウクライナの4231はサイドで2vs2の数的同数となるのだが中央のIHが大外に流れることで3vs2を作れるわけだ。左はマディソンとベリンガムが頻繁に縦のポジションチェンジをこなす。ベリンガムはパスコースを増やす為に下がったりファイナルサードまで攻め上がり攻撃にワンクッションもたらせるしマディソン、チルウェルのボール回しからウクライナの中盤と最終ラインを動かせるのでその背後のスペースからベリンガムが侵入してボールを引き出す。


ウクライナはボール非保持時も4231の形だがミドルサードまでボールを運ばれると442となる。このウクライナのコンパクトな守備ブロックをなかなか崩せなかったイングランドであったがウクライナの守備をイングランドは流動的にポジションチェンジをこなし動きのアクションで守備のズレを生み出そうとしていた。41分の同点ゴールはまさにそれ。中盤まで下りてボールを引き出したケインのロングパスを右の大外からPAへとダイアゴナルに入る右SBウォーカーが最終ライン裏へと入って決める。この得点のポイントは右WGサカと右IHジョーダン・ヘンダーソンが内側へと絞っていたのでウクライナの4+4のブロックを結成する左サイドも内側へと引っ張られてたので大外から右へと入るウォーカーへの対応が左SBは若干遅れた。ジョーダン・ヘンダーソンの立ち位置で2vs1の数的優位の状況を作れたのも良かった。これぞポジショナルプレーによる崩し。あと2トップの手前でボールを受けてアシストしたケイン。ケインの下りるアクションに守備ラインが引っ張られると裏のスペースが空くし引っ張られなくてもこういった立ち位置で数的優位を作ってスペースを作るメカニズムがあるのだ。

ウクライナは押し込まれる時間帯が長く442から541へとなることもあった。イングランドは超攻撃的で316のような形で押し込んでいた意図はウクライナの守備ラインを広げてスペースを作る狙いもあったのだろう。今のイングランドの強みは左が塞がれたとしても右のサカを使えることだろう。サカが内側へと入ってパスを引き出すとタメから外側からジョーダン・ヘンダーソンが抜け出していた。

イングランドの守備を見ていくとボール非保持時は4141。失点は左サイドで1vs2の数的不利に陥り突破されたのとゴール前に入ってきたジンチェンコを掴まえられなかったことに原因があった。


そんな感じでドロー。

現在の順位は

1位イングランド   勝点13

2位イタリア     勝点10

3位ウクライナ    勝点10

4位北マケドニア   勝点7

5位マルタ      勝点0


次節は天王山イタリア戦