牧野邦夫の生誕100年を記念した展覧会
『生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫
-その魂の召喚-』
美術館「えき」KYOTOでの開催まで
1ヶ月となりました
2025年10月11日(土)~2025年11月16日(日)
新しいチラシも手元に届きましたので
また近いうちにご紹介したいと思います
気になっている方もおられるようですが
今回の展覧会でも図録が販売されます
千穂さんが最後の校正をしているとのこと
一息ついたら会いましょうと話していたのですが
やることが多く突っ走るしかない・・・
と、話していました
ご無理なく頑張ってもらえるよう
陰で支えるしかなさそうです
どうか体調崩されませんように・・・
2015年に発刊された
日本美術全集19巻『拡張する戦後美術』に
牧野の作品『海と戦さ』が掲載されています
これは「平家物語」の
壇ノ浦の戦いの場面を描いたもので
横194cmの大作です
実物はものすごい迫力
平安時代の終焉の顛末を書いたのが
平家物語であり
江戸時代にはたくさんの屏風絵や絵巻物が
描かれています
私は源氏絵や絵巻物など好きなので
初めて観た牧野の平家物語には驚きました
ギリシャ彫刻のような肉体と牧野独特の世界
絵の上部には平家物語のテキストが
牧野独特の書体で描きこまれています
「・・・二位殿やがて抱き参らせて
波の底にも都の候ふぞと慰め参らせて
千尋の底にぞ沈み給ふ悲しきかな
無常の春の風忽ちに花の御姿を散らし
情無きかな分段の荒き波玉体を沈め奉る」
第11巻第9段 壇ノ浦合戦の「先帝身投」
安徳天皇が入水する場面ですね
とすれば 絵の中心下の海に
沈んでいるのが安徳天皇かな
確かまだ8歳
それとも 平清盛の妻 時子と
それに抱かれた安徳天皇?
兜のようにも見えますが・・・
洋式の武具や衣装もいたり
もちろん甲冑や刀の人物もいたり
カオスな世界と言ってもいいかもしれませんが
充分に平家物語の世界観を感じられる作品
こちらの『海と戦さ』は
今回の牧野邦夫展に出品されるようです
この絵の隅々まで穴の開くほど観察し
一枚の絵の中にある様々な物語を見つけ
牧野ワールドを楽しんでみてください
この絵を描いた時代には
芥川龍之介の「地獄変」
泉鏡花の「天守物語」
それに宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」など
文学作品を題材にした絵を描いています
どれもこれも
牧野ワールドな不思議な絵なので
機会があれば是非そちらもご覧ください
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