大昔からマルチキーボードでライブに参加することが多かった私ですが、今回自分の機材の発掘作業を行っていたら、興味深いことに気が付きました。というか、思い出しました。
若い頃には長く継続するバンドに所属したことはあまりなく、単発で演奏を依頼されることが多かったです。私自身もそうなることを望んでいたし、同じバンドで連続の参加でも毎回演奏をする度に、気持ちとしては単発のつもりでいたものです。正式なメンバーになるよりも、ヘルプとかサポートとか、あるいはトラ等で参加する方が好きだったのです。
今回、20代から30代までの間、依頼される度に使っていたキーボードミキサーのセットがいくつか出てきました。ライブで複数のキーボードを使う場合、バランスは自分自身で設定したいので、手元のミキサーにまとめてからL×RでPAに送るというのがいつもの私のやり方でした。今でもそうです。例えば、3台のキーボード音をそれぞれPAに送ったとすると、こちらの意図する場所で音量の大小をコントロールしてもらうためには事前に綿密な打合せが必要になります。複数のバンドが出演するフェスなどではそんなの無理ですから、自分の感覚でバランスをとることが重要になります。ピンライブだったとしても、専属PAが着いての演奏機会なんてそんなにあるものではありませんから。
なんだか、発掘した物品を見ていたら我ながらアホすぎて、泣けてきました。小さなミキサーは、昔からなぜかたくさん所有していますが、演奏の依頼がある度にどこにあるのかわからなくなっていたのか、それとも出番のタイミングと間隔が空いてしまうこともあって、依頼がある度にミキサーセットを用意していたので、おそらくこんなことになってしまいました。最近になってハードオフ等に売ってしまったミキサーもあり、せめて画像を残しておけばよかったと後悔している機種もあります。
※画像の後に、解説文があります。

こちらは、今現在カシオピュアのライブで使っているミキサーセットです。古い機材ですが、なかなか使いやすいです。もう一つカシオピュアで使っていたBOSSのBX-800は、先日ハードオフに300円で売ってしまいました。今はこの機材で充分なので。

こちらが、今回発掘した品々です。ケース入りで出てきました。

ケースの上と下で、分けて入れていたのですね。

このミキサーは古いなあ。しかも、オーディオ用です。20代によく使っていました。楽器用よりも音質がよかった記憶があります。カタログ値のSN比という数値が、この機器はとてもよかったのです。楽器用のミキサーがSN比0.1とか0.2と書いているのに、このオーディオ用のミキサーは0.02とか0.03と書いてあるんです。オーディオメーカーの意地というか、競争を勝ち抜くためには品質をあげるしかなかったのでしょう。昔からオーディオメーカーのミキサーの方が、カタログ値が真実ならば性能はよかったようです。

このミキサーは、性能云々というよりも、その使いやすさで愛用していました。30代初期の頃です。2台のキーボードをまとめて出力して使っていて、とても重宝していました。どんなにこちら側でSN比にこだわった音を出力しても、その後のPA屋さんの機材のSN比が悪ければ何の意味もないことにやっと気が付いたのです。いわゆる、音質の出入り論ですね。入りがどんなに高音質でも、出力側の音質が低ければ意味がないということです。オーディオに例えれば、レコードプレーヤーがどんなに高価な品で高音質でも、アンプとスピーカーが低性能ならばその良さは伝わりません。100万円の最高級レコードプレーヤーの音をラジカセで再生しても、その良さはわかりません。
その逆に、どんなにアンプやスピーカーが超高級でも、入側のレコードプレーヤーの音質が低ければ、その低い音質が増幅されて再生されるだけとなります。50万円のアンプに1本100万円のスピーカー2本を組み合わせたシステムに、39,800円のレコードプレーヤーとMM針の音質では、まあそれなりの音の良さではありますが、高級機材の性能を存分に発揮していることにはなりません。意味不明な方、すみません。興味があったら、ネットで調べてください。なんだか、久しぶりに調子が出てきましたよ。
このようにして、昔のオーディオマニアの皆さんは、全ての機材に多額の投資をしてしまったのですね。若い頃は、そういう高音質な機器がそろっているジャズ喫茶に通うことも楽しい思い出でした。自分では、なかなか超高級機を揃えることができませんでしたので。

これは懐かしい機材でした。昔、ベース鍵盤にMIDIでつないで演奏をする際の、ベース音源ユニットです。私は、かなりの回数、ベース鍵盤とキーボードで演奏をしていたのです。一時期、スワンの演奏でもかなりの期間そういうときがありました。ベース鍵盤は壊れていて、修理しないと使えないので、とりあえずキーボードに接続して動作確認をしてみます。初期のムーンチャイルド風の演奏をするには、ちょうどいいかもしれません。まずは、ちゃんと動作するのかどうかのチェックが先です。

これも懐かしいです。コンパクトだけれどもいい音がする、シンセモジュールです。1Uの音源ユニットを持参するのは苦労ですが、その4分の1の体積でこれだけのいい音が出るので、MIDIで接続してボリュームペダルを使ってレイヤー音源として使っていました。今後のカシオピュア演奏でも、使用を提案してみます。動作すれば、ですが。

これは、今でもずっと持ち歩いている機材です。BAKUJINやTLB、カフェドパリの定期演奏、その他私が30代で関わった各種キーボード演奏の際に愛用していました。動作チェックもしてあり、今でも元気です。電池カバーが紛失しています。最近はBX-800を使っていたので、このBX-4はサブ機のようになっていました。音質もよく、バランスのいいコンパクトミキサーです。