感動しました。
藤田さんのリーダーバンドを聴きに、船橋のライブ・スポットに初めて行ってきました。私が悪戦苦闘しながら取り組んでいる、平民の?(笑)音楽とはレベルが違いました。パーフェクト。これが、プロということなんですね。
すばらしいミュージシャンである前川さんと藤田さんにこれまで平然とサポートをお願いしていた自分が恥ずかしくなるほど、レベルの高い演奏でした。というか、彼らの若い頃からずっと応援していましたが、いよいよ私の手の届かない高みに達したということなのかな。
今年は、多くのレベルの高い演奏を聴く機会を増やしたいと願っているので、その最初の機会が今回のライブでよかったです。今後も、藤田さんのリーダーバンドの情報があれば、もちろん応援に行くつもりです。
前川さんと藤田さんのパフォーマンスのすばらしさはもちろんのこと、私は初めてその演奏を聴くベースさんと、海外から帰国したばかりというピアノさんも、とてもよかったです。同年代の若手ミュージシャンの皆さんで演奏をするというのは、とても大切なことなんだということを、改めて感じました。還暦間近の私は、今後は彼らを無理にサポートに駆り出すのではなく、純粋にリスナーとしてお金を出して応援をする立場であるべきなのかもしれません。歳をとるということは、きっとそういうことなのですね。
さて、今年は様々なライブスポットを訪問させていただくことにより、私が建設を夢見ている「スタジオまんぼうホール」の参考になることを探して、情報集めにも努めるつもりです。
そういった観点から今回の会場を見てみると、狭いながらもスノッブな(高貴な)感じの内装で、スペシャル感はありました。
ステージに向かって左手が入り口、右手にバーカウンターとういう構造で、音楽演奏を目途として設計された場所ではないところをライブハウスに改装したという印象のスペースです。長方形スペースは定常波が発生するため音楽に向かないと言われますが、それにしては、音がよかったような気がします。しかも、横長長方形のハコは音響的には最悪と言われているのに、響きもちょうどいいルームリバーブを感じるような、心地よい音色でした。その秘密を探りたかったのですが、理由はよくわかりませんでした。しかも、床は基本的にコンクリートのむき出しです。PAセットも貧弱そうに見えましたが、いわゆるボーカル以外の楽器は全て直音でバランスを取るというスタイルのライブハウスでした。それなのにこれほど音がまとまるということは、もしかしたら、ハコではなく、演奏者の技量によるところが大きいのかな。演奏しながら、自らハコに合わせて演奏方法を調整しているんじゃないかな、だとしたらすごいことです。または、客がたくさん入っていたので、人の服装が吸音材の役割を果たしていたのかもしれません。ジャズ演奏にふさわしい、とてもよいお店でした。
経営者の視点で言えば、船橋という一等地で経営をするのは苦労も多いことだろうと思いますが、ドリンクやフードの値付けはかなり高めではあるものの、それも納得できるような雰囲気を見事に演出しています。ただ、今回は多くの観客が来店していて超満席という状況でしたが、お客様は窮屈そうでした。座席によって、ライブに訪問した人の幸せ感も違ってくるのかなと。せっかくのすばらしい演奏を、くつろげる座席で聴くことができたら、更に充実した時間になったことでしょう。
ただ、私が座った腰高の観客席はとてもよかったです。私は、開店と同時に最初に入ったので、おそらく少人数のライブでは案内されているはずの、いつもの?いい席に座れましたが、前の方で補助席のような席に座った方々は、ちょっとかわいそうでした。お店の定員数(消防法も絡む?)がいったい何人なのか、よくわからない感じでした。
ここで思い出したのが、同じく今は横長のハコとなっている瑞庵2です。そちらの音響についてはここでは見解を避けますが、座席については、どの席も座ると沈み込む席なので、何だか落ち着いて演奏を聴くことができませんよね。偉そうな社長が座るスナックの接待席じゃないんだからさ~といつも思っていますが、もともとの店の構造がそうだったので仕方がないのでしょう。だから、瑞庵2に行くと、つい私は数少ない(2席しかない!)カウンター席に座ろうとしてしまいます。
最初から音楽演奏のために設計された場所ではないというところは、今回のお店と同じですね。こちらはカウンター席も多めでしたが、ポジション的に積極的に座りたい場所ではありませんでした。パーソナルな座席ならコンサートホールのようにゆったりとした座席もよいのですが、そうじゃない場合には、この店の参考画像のように腰高な席の方がいいようです。音楽ホールの座席も、実は座面が硬く設計されているそうですよ。
どうしても今日中にやらなくてはならない仕事もあり、最後まで演奏を聴かずに途中で失礼しましたが、洗練された演奏を聴くことができて、心洗われるすばらしい時間でした。これからも変わらずに前川さんと藤田さんの活動を支援してきたいという思いを再認識した、充実した時間となりました。
帰りがけに、店長さんらしき方に「とてもいい店ですね。また来ます。」と言ったら、嬉しそうにしてくれたのでよかったです。私も、来訪してくださった方々からほめてもらえるような、「スタジオまんぼうホール」を創りたいです。
<今回の教訓>
・ハコやPAの良し悪しを議論する前に、演奏者の技量を見極めよ。そうすれば、自然と音響も整うもの。
・一等地に狭いライブスペースを作るのか、遠隔地やへき地でもいいから広いホールを作るのか、そこが大きな問題だ。
・客席やステージは、やはり既存の施設を有効活用するのではなく、新規の施設を作って最初から設計したい。ただ、金が・・・



