4年ぶりに開催される、今回の花見川団地商店街ライブにおいては、2枚看板のうち前川さんがご都合が会わずに不参加なので、何とかしなければなりません。

2枚看板とは、彼のサックス演奏とロッキーさんのボーカルです。今回は、ロッキーさんのボーカルをメインに演奏を進めることにしてありますが、オーディエンス(観客)の皆さんの中には管楽器によるジャズ演奏を期待している人もいます。演歌や古い曲、アニメソングから民謡、そういった多様な曲を演奏していることが、私達の演奏が幅広い観客層から受け入れられているという要素のひとつであると考えています。
私の知人の範囲における代役手配も失敗したので、何曲かだけでも私がサックスで演奏できないかと考えて、かなり前から時間を見つけては練習していましたが、どうもあかんのです。うまくいったりいかなかったりで、精度が低いので、そんな状態で人前で演奏することはできませんので、困り果ててしまいました。
私のサックス演奏については、苦い経験があります。個人的にはトラウマになっており、その後サックスを演奏したいというモチベーションがかなり低下した出来事でした。
コロナ禍前の弦祭りだったかな、私がサックスでメロディを演奏することになり、個人練習も頑張って、我がスタジオまんぼうで行ったリハにおいてもバッチリと合わせることができて、意気揚々と本番を迎えたことがありました。しかし、悲劇は突然訪れるものなのですね。
私の身内の中では有名な、あの大事件です。ライブ直前に突然の突風でステージの背面幕が煽られてたなびき、サックスが倒れて壊れちゃったよ〜事件です。
厳密に言うと、事実は異なっています。ベースとしても参加していた私は、4弦ベースと6弦ベースを会場に持参しており、1曲だけサックス参加の予定だったために、ケースから出したサックスをそのケースの上に丁寧に置いておきました。ライブ直前の音出しチェックにおいても、サックス演奏はまあまあうまくいっていました。
ベースは、音出しチェックでたまたま4弦ベースを手にしていたため、6弦ベースは後方のステージ幕の前に、用意したスタンドに立てておきました。
成田弦祭りには毎年出演していましたが、なぜか午前中は風が強くて譜面が飛ばされたり譜面台が倒れたりということが続いていて、譜面を止めるクリップが必須となっていました。譜面台は、ガムテープでステージに固定していました。その位、風対策は必須だったのです。
その日も風は強かったのですが、対策が功を奏して大きなトラブルがないまま音出しチェックの時間が過ぎていました。
ところが、突然の不運と不幸がやってきました!
とんでもない強風だか突風だかが突如吹き、ステージ後方に張られていた幕がブワワーっとめくれて前方に煽られたのです。
その瞬間、私の6弦ベースは前向きに転倒し、バーン!という音が響き渡りました。そこにちょうどおいてあったのが、私のアルトサックスだったのです。
幕がメンバーに触れるほどの浮き上がり方だったので、まさに突然すごく強い風が吹いてきたという感じでした。
とりあえず、慌てて6弦ベースの音を出してみたところ、ネックがねじれてしまったようで1弦と2弦が指板に常時ついたような状況になって演奏不能になってしまいました。本番直前のため調整を試みる時間もないまま、本番での使用を諦めました。このベースの悲劇も、当時の参加メンバーは承知していることです。その突風の後に気付いたのですが、ステージ後方の幕が、紐などでしっかりと固定されていませんでした。我々の本番中も、はたはたとして演奏の邪魔になっていましたので。
ベースについては、アトリエの4弦ベースも持参していたので、そちらは何とかなりました。1本持参では危なかったです。
問題は、倒れた6弦ベースが直撃した、アルトサックスの方でした。ベースのネックがねじれる位の衝撃だったはずなので、無事なわけがありません。
演奏してチェックをして、異常があったとしても、もはやどうすることもできません。既に音出しチェックの時間は終了し、本番の開始を待つばかりとなっていました。
奇跡の無事を信じて、私はアルトサックスを手にしました。しかし、予想通りというか、サックスは最悪の状態でした。
不測の事態による本番での演奏失敗は、心の大きなダメージとなり、トラウマとなりました。
サックス演奏に対する意欲はもともとあって、いずれはステージでの演奏をと考えていて、それがやっと実現したと思ったら大失敗をしたので、すっかりとその後のやる気も失ってしまいました。
ニッカン製のサックスを調整に出して、戻ってきた直後の万全の常態で臨んだのに、残念な結果となりました。その後、このサックスを修理や再調整には出していません。ライブ後に、訳あって大金を出して大修理をしていた別のサックスが修理からあがってきたので、ニッカン製の壊れたであろうサックスは、お宝として保管しておくことにしました。※このブログの初期の頃に、紹介しています。
そうこうしているうちにコロナ禍となり、音楽演奏をする機会を失ってしまいました。そんなとき、ヤマハがデジタル・サックスを発売するという情報が流れました。他に音楽でやることもないし、自宅練習用にいいかなと考えて、少しだけ心に火がついて注文をしましたが、届いたのは5か月後のことでした。そのときはまさにコロナウイルスが猛威をふるっている時期でした。壊れたままのサックスを修理・調整するためにお金を使う気は全くなかったので、何か新しい楽器に手を伸ばしてみたかったという気持ちもありました。しかし、やっと届いた頃には、私は音楽活動そのものへの意欲を完全に失っていました。
このデジタル・サックスでさえ、梱包を開封しようとするとトラウマのせいで心が痛くなり、どうしても触ることができなくなっていました。約4年間も届いたそのままだったとは・・・我ながら驚いています。※このブログにも、買って開封していない楽器として何度か登場しています。
今回思い切ってデジタル・サックスをステージで使う決心をしたのは、花見川団地の人たちが、サックス演奏をとても楽しみにしているという情報を複数の方から聞いたからです。私は前川さんの足元にも及びませんが、デジタルなら何とかなるかもしれないと考えました。見栄え的に、管楽器不在という状況は、どうしても避けたかったのです。
それにしても、ギリギリすぎます。いつものことです。ライブ前日に梱包を解き、操作方法や接続方法を確認して、練習をしようというのですから。今回は、自分が前に出て演奏する曲は1曲と決めて、これから徹夜になってもいいから、練習をするつもりです。
(注)1枚目の画像は、ステージが終わって帰宅した後に撮影したものを貼付けました。