M町内会&商店街?の桜祭りも、3年ぶりに復活するという情報が入ってきた。厳密に言えば、コロナが大流行の兆しを見せ始めた最初の春に中止にしていたならば、完全復活は4年ぶりになるのかな。
あの当時のことを思い出せば、政府や自治体からの、花見をせずに巣ごもりをという制止の呼びかけも聞かずに、企業はリモート、飲食店は休業、学校は休校という中でも大勢の人が花見に繰り出したことにより、我が国でのコロナ大流行が始まったのだった。みんな、何となくもう大丈夫なような気がしてしまっていたのだ。
その際に、M町内会&商店街が、桜祭りをやるかやらぬかの判断を迫られ大きな議論になって揺れていたのは、昔からのご縁がありよく知っていた。
おそらく、様々な制限をつけた縮小実施となったのではなかったかな。もはや記憶も定かではない。それまでは、仕事上のご縁があり運営する側の方の知り合いもできていたし、長い間、毎年のように祝儀袋を持ってお伺いしていたが、そのときは行かなかった。というか、これまでは仕事の立場上行っていたが、同じ行事でも今度は仕事の立場上で行くことができなくなるという皮肉だった。
今年は、久しぶりに開催されるということもよく知らずに、あ、やってたんだ〜という感じ。3月29日の早朝に、出勤する車内からぼんぼり(ちょうちん)が下がっているのを確認できたので、今年は桜祭りをやるのかなと思っていた。
4月2日(日)の早朝に休日出勤対応のため車で通った際には、何やら数人が準備のために動いていて、いよいよかなと思ったが、緊急の休日仕事を終えて戻る際には、公道が通行止めになっていて、多くの人々が集まって大賑わいだった。早く咲きすぎた桜はすでに散り始めており、葉桜も多かったが、マスコミ等が最後の花見の機会と煽ったこともあって、人があちらこちらにどっと繰り出したようだ。
ところで、このサクラ祭りに関しては、毎年早めに日程を決めなくてはならないので、意思決定の担当者は胃の痛い思いをしていることだろう。迷うことなく中止となったこの3年間は、少なくともそういった悩みからは解放されていたに違いない。
コロナ禍前のある年には、開花が例年早くなったことを見越して、4月の第一土日ではなくて一週間早い日程に設定されたことがあったが、その際は見事に外れて、葉桜どころか、蕾の桜を見る祭りになってしまったこともあった。様々な事情により、開花に合わせて祭りの日を臨機応変に変更することはできないのだ。私なんかは、早めに設定しておいて、咲かなければどんどんと延期すれば、などと安易に考えてしまいがちだが、できる由もない。毎回、雨でもそのまま実施とのこと。
桜が咲かなかった桜まつりの年の担当者の中には、気に病んでその後病に伏せってしまった方がいるとの噂も聞いた。やはり、葉桜になってしまってもいいから、桜が咲いていることをマストとする日程にしておくのが無難なのであろう。だからといって、散りすぎてしまっていても興ざめとなるから、確かに開催日の設定は難しい。
今回の担当者は、あまりにも早く咲きすぎた桜が散ってしまわないか、雨や風の度に気を揉んだに違いない。そして、今のうちからすでに、来年の日程をどうするのかということで、頭がいっぱいなのだろう。推測だか、もしそうだとしたら純粋に桜を楽しむことができずにお気の毒だと感じてしまう。
前のまんぼう掲示板時代に、我が家の近くにある桜の名所100選にも入るほどの寺院があり、桜の季節には迷惑なくらい見物客で大混雑していたが、実は・・・と書いた。その内容をご記憶だろうか。実は、の続きを書いていこう。その寺院は、長年の歴史がある貴重な桜を全て伐採してしまったのだ。史跡として書かれた千葉市が作成した紹介文のボードも、撤去された。1本ぐらいは移植にチャレンジしたのかもしれないが、当時の私は日々その道を通勤で通っていたので、そのような様子は見られなかった。春を迎える前に突然作業が始まり、数日間であっという間に何本もの桜が消えた。そして、数日間のうちに、桜の木が全く無いコンクリート打ちっぱなしの駐車場になったのだ。
桜の季節になって、その情報をしらずに訪れた人は、さぞ驚いたことだろう。桜の木は、葉が出ていないときに伐採する方が楽なので理にかなってはいるのだが、夏や秋に伐採して広く告知するという発想はなかったようだ。というか、突然決断したのかもしれない。またあの季節が来てしまう、ええい、切っちまえ!(笑)という感じかな。そもそも望まない客だったのだから、当然と言えば当然だ。
当時、ウチの町内会の人たちとの会話で記憶に残っている話を紹介する。観光地でもない単なる寺院が、歴史ある桜としだれ桜がある名所という紹介をされて有名になってからは、来てほしくもない人がたくさん訪れるようになり、道も混むようになった。参拝以外の人の駐車はお断りすると何度注意書きを貼りだしても、守られるわけがない。周囲の住民にも迷惑をかけてしまう。寺院の人も、胸を痛めていたに違いない。
そして、昔から地域住人に密かに愛されて楽しませてくれた桜の木々は、忽然と姿を消した。
私の過去のブログでは、もう1か所、西千葉駅近隣の某所で、道路で勝手に花見をする人々に困り果てた住民が市に掛け合って、路地に長く続いていた桜の枝を全て切り落とすことになった事例も紹介した。
写真で紹介している、このM台の桜街道?の桜も、あとどの位見られるのだろうかとも考えてしまう。通勤で毎日通っていると、枝葉が邪魔で信号が見えないとか、太い枝が道路に落ちていて危険だったこともあった。道路に落ちた花しべ(桜の花が散った後の芯のこと)が大量に道路に落ちていると、スリップしやすくて危険だ。桜の木の寿命は40年程度と言われる中で、ただ祭りをすればいいのではなく、町内会や商店街がどのように安全面に考慮した保存活動や手入れをしていくのかということが問われている。桜祭りがあるからと伐採を拒み、それ以外の時期のことは何も知りません、という姿勢は到底認められるものではない。もちろん、5年前まで知人だったこのお祭りの運営に関わっている人物は、そういう意味での「桜をしっかりと守っていきたい」という意識をしっかりもっている優れた人だった。今回、久しぶりにこのイベントが復活してみて、スタッフ皆さんの意識はどうなのだろうかという不安がよぎっただけだ。
桜祭りに限らず、これからは何もかもが「久しぶりに」という枕詞をつけるようになるなかで、ただ以前のように全てを元に戻すのではなく、今回のコロナ禍をきっかけとして、新しい何かを創り上げていけたらいいのではないかと、漠然と考えている。


