アートサロンのジャムセッションに参加してきた。アートサロンは、昔はフォーク・アートサロンという名前だったが、大昔、それこそかなりの大昔に、私が「みんなでJazzらNight」というイベントを3回連続で開催した際に、飛び込みで見つけて利用していた店だ。その後も合唱団の団結式やウチアゲ等でもよく利用していたので、懐かしすぎる店だった。
ジャムセッションが行われている店としてはノーマークで、このようなセッションが開催されていることを知らずにいたが、太宰先生ご夫婦がご自身のコンサートの場所としての下見も兼ねて様子を見てみたいとのことだったので、前川さんもお誘いして4人で行ってきた。
主催者によると、懐かしい方や久しぶりの方も含めて、前回までと比べて先客万来という状況だったそうで、演奏が回り切らずに、終了時間を特別に延長していたほどだった。
啓蟄・・・冬ごもりの虫などが春の暖かさを感じて這い出る頃という意味の、太陽暦3月6日のことを指すが、具体的な意味としては、長いこと休眠していた人々が「さあ働くぞ」と意気込み始めることだと言われている。世の中が様々な緩和の方向に流れていく中で、多くのミュージシャンが動き出したということなのだろうか。
その中でも、プロ・ギタリストの油科さんとすごく久しぶりにお会いできたことは、嬉しいことだった。ご本人によると、プロ活動は既に引退されているとのことだったが、相変わらずの別格の演奏だった。年齢を全く感じさせない素晴らしいプレイは、私にささやかな勇気をもたらしてくれた。2枚目の画像は、その油科さんと理恵さんの久しぶりのコラボレーションの様子である。
それこそかなりの昔には、私のライブやイベントにも何度も突然顔を出してくださり、その都度理論的なことや演奏の組み立て等について的確な助言をいただいたこともあって、今でもとても尊敬し、感謝している。それこそ、油科さんのお誘いを受けて演奏をご一緒した際には、ご自宅まで車でお送りしたこともあった。
自分のセッションライブで、私がオルガン系キーボード2つとベース鍵盤を駆使して油科さんとコラボ演奏した際に、思いのほか感触がよいと大変喜んでくださり、ありがたいことに成田でのステージに私のオルガンと油科さんのギターとのデュオ演奏をしたいとのご指名をいただいて出演することになったことがあった。ところが、現地に向かうにあたり、ナビゲーションでその店の名称を検索したにも関わらず、なぜかかなり遠くの同名の別の施設に案内されてしまい、結局本番開始予定の時間から1時間近く遅れての到着となってしまったのである。多大なるご迷惑をおかけしてしまった。初めて行く場所だったので早めに動き始めたのに、うまくいかずにとても悲しかった。
本当は1時間半程度早く現地入りをして、事前に譜面を確認しながらのリハも行う予定だったが、到着後に機材セッティングをしていきなりの初見演奏となったため、音のバランスも探りながらのプレイとなり、そして何よりも油科さんが用意してくださった曲も思い通りには演奏できず、多大なるご迷惑をおかけしてしまったのである。さらに、2時間半以上も油科さんをお待たせしてしまったことが申し訳なく、私は心が凹んだまま演奏したことを記憶している。ピアノならば臨機応変に何とかなったかもしれないが、オルガン演奏は簡単にはいかない。ボリュームペダルのダブル設置、音色の設定と音量バランスの確認、キーボード位置の適正化等、セッティングでもやることは山ほどある。最低でも20分、可能ならば30分はほしいところである。それを、セットして何も確認しないまま、いきなり演奏を始めたのだから、うまくいくわけなどない。
それでも油科さんは私を責めることはしなかった。プロとは、そういうものなのだなと感服した記憶がある。自分自身は悔いが残っているので、いつかは再チャレンジしたいと思った。しかし、その演奏を最後に、油科さんから私への演奏オーダーは途絶えた。私自身もその後急に仕事が超多忙となり、自身の演奏活動も縮小傾向となったため、お会いすることも少なくなった。
今回のセッションでは、すごく久しぶりにお会いしたにも関わらず、親しく声をかけてくださり、すごく嬉しかった。今回の私は、ピアノではなくベースでのエントリーだったが、油科さんとご一緒に演奏したときは、全体の演奏をリードするようなさり気ない配慮なども感じられたので、さすがだと敬服するばかりである。
3枚目の画像にあるが、理恵さんのピアノ演奏も油科さんとご一緒のときは彼の演奏にガイドされるかのようにとてもよかった。前川さんのサックスも、今回参加した管楽器演奏者の中でピカイチに輝いていた。油科さんに「前川君、今何やってんの?」と訊かれての苦笑いは、ご愛敬かな。もっとビッグなプロになれよ、という励ましと感じた。私は、前川さんが手の届かないプロの世界に行ってしまうと困ってしまうので、今のままの彼で充分にありがたいが(笑)。
セッション中も、私達のテーブルだけ異彩を放つかのごとく(苦笑)酒を飲みまくっていたが、セッション後には4人で2次会に。先日の「まんぼうの酒場放浪記」カテゴリーで紹介した、中華料理店である。こちらは客が少なくて、店が存続されるのか心配になってしまったが、今回は画像上で店名を紹介するので、機会があったら是非とも利用してみてほしい。中央公園の近くにある。「マジ中華」という看板に恥じない、料理が美味しい店である。
来月のアートサロン・スマイルジャムセッション(だったっけ?違うかも)は、4月16日(日)とのこと。私は再び登場するつもりなので、よろしければ本ブログ読者の方で興味がある方は参加してみてほしい。ちなみに、この回の私は、ピアノで参加をする予定。




