50数年前の、安藤百福の大発明以来の革命的な乾麺との呼び声が高いのが、T社の「マ○ちゃん正麺」です。


出来上がりは生麺風ですが、れっきとした乾麺です。詳しい製造工程は公表されていないようなので調べてもわかりませんが、検索してみると、生麺を乾燥させるのではなく、生麺風に仕上げるために独自の工夫をして製造されているようです。油で揚げるのではなく風を当てて乾燥させるという、ノンフライ麺だということは公表されています。
「○ルちゃん正麺」は、乾麺でありながら生麺テイストであるという、すばらしい製品です。乾麺の新しい道を切り拓いたT社のことも、私はすごくリスペクトしております。
「マ○ちゃん正麺」は、麺をゆでたお湯をそのまま粉末スープを入れた器に投入する、袋式の正統なインスタントラーメンです。とても美味しいので、私も常に買い置きをしています。
2011年11月7日に発売された際には、最初は期待していなかったこともあって、なかなか手が伸びませんでした。生麺風という言葉に、またそれかよ〜と勘違いをしていました。
テレビCMで「乾麺なのに生麺の味わい」だとアピールしていたので、生麺ではないという前提で買ってみることにしました。実際に作ってみて、食べてみて、当時はその素晴らしさに衝撃を受けた記憶があります。
この麺が登場してくれたおかげで、乾麺風パッケージのなんちゃって生麺?がマーケットからほぼほぼ消えたので、それはそれでよかったのかなと。
有名なN社も、結局生麺タイプの袋麺をやめて「○ルちゃん正麺」そっくりの商品を出してきましたからね。しかも、ライバルを研究した後発品だから、元祖より美味しいというレビューも複数あり、売上がかなり伸びたとも報道されていました。製造方法に関する情報が乏しい中でも、苦労をして後追い開発した努力が報われましたね。(個人的な単なる推測です)。
このような、大企業ならではのやり方は、トヨタやパナソニックみたいなもんですかね。スズキ自動車が初代「ワゴンR」を発売して記録的な大ヒットをした際に、ダイハツ(トヨタの子会社です)が自社も同じような車を以前から開発していたと言い張って?ほぼ同じデザインとコンセプトの「ムーブ」を発売したことを思い出します。更に歴史を遡れば、東洋工業(今のマツダ自動車)がマツダ・ファミリアを発売した数ヶ月後、その大ヒットを見たトヨタが、ほぼ同じようなデザインとコンセプトの「カローラ2」を発売したことも思い出されます。トヨタ製のファミリアを欲しい方は、こちらをどうぞという車でしたね。なんだか、話がどんどんと逸れて、ますますマニアックになってきましたね(笑)すみませ〜ん。
松下電気(今のパナソニック、前はナショナルというブランド名だった)も、マネシタ電気と言われていました。開発はソニー等の他社に任せて、模倣の製品をすぐに発売して量販は任せろ!という企業姿勢だと言われていました。真実はわかりません。高くて買えないブランド的電気製品をコピーして、安く広範囲に提供するという企業理念は、私は嫌いではありません。庶民の味方だなと感じていました。
閑話休題。N社は自らの乾麺づくりのノウハウを隠さずに公表しており、有名なラーメン博物館を作ってしまうくらい懐の深い会社です。私はそのオープンなスタンスが好きです。この会社が、というよりも安藤さんが開発当初に自らの技術を囲い込んでしまっていたとしたら、今の日本の乾麺文化の隆盛はなかったことでしょう。(個人的な前向きな推測です)。
大昔に、カセットテープを発明したオランダのフィリップ社が、そのテナントを取らずに広く世界での普及に努めたことと重なります。フィリップス社もN社も、普及した方が自社の利益にもつながるという判断だったのでしょうか。
なんだか、再びマニアックな例えになってしまい、すみません(笑)。
N社は、T社から生麺風乾麺づくりの技術をひた隠しにされた中で、当時そこそこ売れていたなんちゃって生麺を捨ててまで、自社で生麺風乾麺の開発に力を注いだのですから、すごく尊敬しています。新しく生麺風乾麺になった「○王」も、とてもよくできた乾麺です。
それでも、各社がいたずらにマ○ちゃん正麺の麺と同じ方向性を目指すのではなく、これまでの通常の系譜にある乾麺を大切にしていこうという気概を持ってくれていることが、すばらしいことだと感じています。
画像も貼ります。「○ルちゃん正麺」の「中華そば」がすごく美味いんですが、最近はなかなか売っていないので、とりあえずは豚骨スープの製品を好んで食べています。初期の頃には、醤油味ばかり買っていました。他の味は、当時はそれほど美味しいとは思いませんでした。今は、改良を重ねたようで、どの味の製品もスープがかなり美味しくなっています。麺がどんなに美味しそうに見えても、やはりスープの味がよくなければ、リピーターの獲得は難しいですから。
M社の「チャ○メラ」もつい買ってしまいました。いろいろと工夫して、販売促進を目指していることがわかります。この乾麺は、油で揚げる製法の乾麺に旨み成分を練り込んでいるというアイディアがすごいんです。パッケージの名前はちょっとおふざけで変えていても、中身は「チ○ル○ラ」と全く同じとのことです。生麺風、にこだわらなくても、楽しくて美味しい乾麺は、まだまだたくさんあります。
そして、先程話題に出した「ラ○」も美味しいですよ。よく買います。坦々麺が、インスタントとは思えないほど美味しい。ただし、太麺の製品だからでしょうが、麺の茹で時間が4分なのは、3分にこだわったという安藤さんの思いを無視しているような気もします。「マ○ちゃん正麺」に負けないために全力で商品開発をした結果なのでしょう。(個人的な勝手な推測です)。
ちなみに、「○ルちゃん正麺」の茹で時間は、細麺の製品を選べば2分です。短いですね。私も、3分にこだわる人です。ウルトラマンのカラー・タイマーみたいですみません。
袋式乾麺は、我が国の文化のひとつです。世界に誇るジャパン・アニメーションにも匹敵する位、失ってはいけない日本国のアドバンテージだと考えています。今回は、T社、M社、N社の3大メーカーの製品を一気に紹介することができて、袋式乾麺インスタントラーメンの研究者?としては嬉しい限りです。
今回は、マニアックな話題も複数取り入れたので、意味不明なことがあってもご容赦を。ご自身でも調べてみてください。または、ご遠慮なく私に直接お問合せください。


