クリッパーでライブをする前には、一度は会場視察と打合せを兼ねて、お店に伺うことにしています。
コロナ禍前、毎月クリッパーに出演していた頃によくあったことなのですが、店に入ってきた方にお客様かと思ってお声をかけたら、店内視察と打合せに来ただけだったということがあり、演奏者側としては複雑な心境になったこともありました。(または、演奏中に入ってきて予約に来ただけだからとすぐに帰ってしまったとか…笑)
もちろん、その行為自体を否定するわけではなく、当然のことですからいいんです。ただ、自分自身は自らの経験を元にして、視察や打合せの際は、観客としてお店に行くことにしようと決めました。店長様とのメールのやり取りだけでも済むかもしれませんが、やはり現場でイメージを膨らまさないと決められないこともありますので、私はライブ前には現場に行っておきたいのです。
自分のライブ出演の日が近づくと、クリッパーさんのスケジュール表を見ながら、行ける日はないかと検討します。以前のようにバータイムの日はなく、営業日は、全て演奏があるため、ちょうど行きたい他のライブが無い場合には、チャージ料や演奏内容も確認し、私自身の予定も照合しながら慎重に決めることになります。
第一水曜日のオープン・マイクの日は、金額も安くて比較的狙い目と考えているのですが、平日の夜はなかなか思うように動けません。
職場の距離が自宅から遠いため、一度帰宅してから車を置いて出向くとなると遅くなってしまうことと、仕事の内容的にも平日の早い時間に職場を出ることが難しいという事情もあって、必然的に私は土日祝中心の動きとなります。しかし、1月4日は冬季休業中だったので、安心して伺うことができました。
このオープン・マイクには、8月にもお伺いしました。8月後半に予定されていたカシオピュアライブの打合せのためです。そのときは、コロナの感染者数が再び激増していた時期で、客は私ともう一人、ギタリストさんがいただけでした。
その日は、店長の正垣さんとセッション演奏もできてとても楽しく、今後もリハ代わりにどうぞお越しくださいとのご案内でしたので、これは気楽に演奏できそうだ、また来てみたいなあと思った記憶があります。
結局、8月下旬に予定されていたカシオピュアライブは、感染者数の爆発的な増大という事態を受けて、中止になりました。厳密に言うと、出演者もそのままに丸ごと12月に延期すると決めました。
その後、その12月のライブに向けて、事前にお店にお伺いできる日を探していたのですが、仕事が忙しい時期のため平日は諦めて、土日の中で行きやすい日を探していたら、ピアノBGMというプログラムを見つけました。すばらしい演奏に心癒されつつ、店長さんとの打合せと現地確認は無事に終了。その際も、コロナの影響で観客は私とあと数人というところでしたね。
そして、12月のカシオピュアライブは無事に実施され、大盛況となったことは以前の記事でお伝えしたとおりです。
さて、話を戻しましょう。今回のクリッパー訪問の目的は、1月21日のタンジェントライブに向けての打合せ&現地視察です。
もちろん、それ以外にも、純粋に音楽を楽しむ機会でもあるということもありますから、今回はサックス奏者の前川さんをお誘いして、2人のデュオの演奏練習も兼ねてエントリーしようと考えたのです。
行ってみて驚いたのですが、前回伺ったときと違って、観客万来という様相。うーん、これが本来のお姿なのですね。
皆さん、ギターやピアノの弾き語りというスタイルで、ピアノとサックスのデュオなどというエントリーは他にある訳もなく、思いっきりアウエー感覚でした。でも、ポップスを聴くのは大好きなので、前川さんと一緒にリスナーとして純粋に楽しむことができました。とてもいい感じの、オープン・マイクだと感じました。
しかも、私は、初めて店長の正垣さんのバンドの演奏を生で聴くことができ、感動しました。写真2枚を貼りましたが、店長の正垣さんがエアロフォンで演奏に幅をもたせたり、アコースティックギターで音楽の表現を深めたりする姿に初めて触れました。エアロフォンがあれば、キーボードの代わりにもなりますね。私もチャレンジしてみようかな。
更に、車椅子の方のピアノ弾き語りにも、感動しました。ダンパーペダルを一切使えないというハンディをものともせず、すばらしい演奏でした。そのことについては、私も率直に彼に質問をぶつけてみましたが、全くハンディとは考えていないそうです。
つまり、ピアノを弾ける方が、事情で途中から体が不自由となった場合には、使えていたはずのダンパーペダルが使えないことはダメージかもしれませんが、車椅子生活の状況になってからピアノを始めたということでしたら、確かに何の影響もありません。
いろいろと考えさせられました。私自身も極力ダンパーを使わずに演奏するスタイルですが、根本が違うんだなと感じました。
今回のオープンマイクは、完全アウエーながら楽しい時間となりました。私のことを誰も知らない人ばかりというセッションは、誠に心地よいものですね。いわゆる疎外感?とは違うものでした。時々、せっかく訪問しても、仲間外れにされているかのように感じてしまうセッションもありますので。
今回のような企画は、大昔によく言われた「お風呂場セッション」ですかね。エコーを深めに効かせて、お風呂場で気持ちよく歌っているかのような、心地よい気持ちになることができる場を提供しているのですね。
弾き語り中心の、楽しい時間でした。私と前川さんの演奏が、むしろ皆さんを緊張させてしまったかもしれませんね。ごめんなさい。
それでも、今回はジャズ過ぎない?洋楽ポップスを選びましたので、皆さんは許してくれたかな。客席の様子の写真も貼りました。
私の音楽活動の拠点は、コロナ禍前と引き続き先日にご紹介した瑞庵2さんとクリッパーさんの2本立てとなります。
クリッパーさん、今年もよろしくお願いします。
追記:大昔に時々前川さんと私の2人でライブ等で演奏していた時代もあったのですが、その後にバンド演奏に移行したこととコロナ禍もあり、長い間中断していました。今回のオープンマイクでの演奏を機会として、その活動を復活させることとして、ユニット名も決めました。
「Design M2」(デザイン・エム・ツー)
です。意味がわかる人、手を挙げて!はーい!
出演依頼等、是非ともお声掛けください。




