流星短詩集17
「煙草」
しんせい吸ってた
父が好きな煙草やめた日は
僕が島から都会へ旅立ち日
その事を知ったのは亡き後
短評:都会から故郷の島に何度も帰省したのにこんなことに気がつかないなんて、
僕はどれだけ心が疲れていたんだろう。今なら言える「お父さん、ありがとう」
「兄弟」
喧嘩ばかりの兄弟
いとこがまんなかに入れば
3人仲良く並んで楽しそう
テレビゲームして遊んでる
短評:僕の子供たちはいっつも兄弟げんかばかりしているが、
そこにいとこの「あっ君」が入ったら、仲のいい兄弟になるのが不思議だったな。
「姉ちゃん」
僕の好物の梅干を
プレゼントしてくれる姉は
ボロボロの結婚人生のあと
やっとこさ優しき男の元へ
短評:長崎の×2の姉を両親がとても心配していた。まさに男運がない姉だった。
そんな姉に僕のソフトボールの監督と大阪でお見合いをさせた。大成功だった。
「兄ちゃん」
釣糸解いてくれた
蝉取りで木に上ってくれた
苛められたとき助けにきて
ぼこぼこにされた兄ちゃん
短評:僕は幼い頃から「兄貴っこ」と言っていいくらい何をするにしてもおんぶに抱っこ
だったな。兄は器用で僕は不器用だった。かっこいい兄でした。
「反抗期」
いつも文句ばかり
どうにもならん反抗期息子
母が退院する日の朝でした
こそーと母の布団干してる
短評:僕は中学生の頃、心にとても大きな悩みを持っていてそれを誰にも言えず苦しんで
いて、お母さんにも反抗ばかりしていた。だけど心の底では母が大好きだった。
「母」
土曜と日曜の朝は母との散歩
歩は遅くなっているがまだまだ
耳も遠くなってきたがまだまだ
毎回同じ花の名を僕に教える
短評:父が亡くなり、長崎で兄夫婦と暮らしていた母を大阪に引き取って暮らそうと決意した。
大阪には姉もいるからだ。母は抵抗するかと思ったが逆に喜んでくれた。やさしい母だった。