永遠の少年

永遠の少年

~流星の祈り~

69歳になった流星ですが、いつまでも心が子供です。
冒険心、無邪気さ、やさしさ、恋心、歌心を忘れずに☆☆☆

流星短詩集17

 

「煙草」

      

しんせい吸ってた
父が好きな煙草やめた日は
僕が島から都会へ旅立ち日
その事を知ったのは亡き後

 

短評:都会から故郷の島に何度も帰省したのにこんなことに気がつかないなんて、

   僕はどれだけ心が疲れていたんだろう。今なら言える「お父さん、ありがとう」 

 

「兄弟」


喧嘩ばかりの兄弟
いとこがまんなかに入れば
3人仲良く並んで楽しそう
テレビゲームして遊んでる

 

短評:僕の子供たちはいっつも兄弟げんかばかりしているが、

   そこにいとこの「あっ君」が入ったら、仲のいい兄弟になるのが不思議だったな。

 

 

「姉ちゃん」


僕の好物の梅干を

プレゼントしてくれる姉は

ボロボロの結婚人生のあと

やっとこさ優しき男の元へ

 

短評:長崎の×2の姉を両親がとても心配していた。まさに男運がない姉だった。

   そんな姉に僕のソフトボールの監督と大阪でお見合いをさせた。大成功だった。

   

 

「兄ちゃん」

 

釣糸解いてくれた
蝉取りで木に上ってくれた
苛められたとき助けにきて
ぼこぼこにされた兄ちゃん

 

短評:僕は幼い頃から「兄貴っこ」と言っていいくらい何をするにしてもおんぶに抱っこ

   だったな。兄は器用で僕は不器用だった。かっこいい兄でした。

 

 

「反抗期」


いつも文句ばかり
どうにもならん反抗期息子
母が退院する日の朝でした
こそーと母の布団干してる

 

短評:僕は中学生の頃、心にとても大きな悩みを持っていてそれを誰にも言えず苦しんで

   いて、お母さんにも反抗ばかりしていた。だけど心の底では母が大好きだった。

 

「母」

 

土曜と日曜の朝は母との散歩

歩は遅くなっているがまだまだ

耳も遠くなってきたがまだまだ

毎回同じ花の名を僕に教える

 

短評:父が亡くなり、長崎で兄夫婦と暮らしていた母を大阪に引き取って暮らそうと決意した。

   大阪には姉もいるからだ。母は抵抗するかと思ったが逆に喜んでくれた。やさしい母だった。

 

流星短詩集16

 

「坂道」

    
故郷に帰るたび
母は長ーい坂道降りてきて
息をきらしバス停お出迎え
一番先に言いたいお帰りと

 

短評:そんな子供のようなところがある可愛い母でした。

 

「ルックチョコ」


貧乏な家で育った
たまの贅沢12粒のチョコ

家族5人で分けあい食べた

ささやかなしあわせでした

 

短評:貧しいってことは、けっして不幸なことではない。

   それは、ささやかなことさえ、幸せを感じられるから。

 

「スーパープレー」            

高難易度のエアターン
塀に激突のファインプレー
観客は大拍手をしているが

母親はそれを見るのは無理

 

短評:母親はスーパープレーを成功させてくれと応援こそするが、

   内心は怪我だけしないように祈っている。

 

「折鶴」   


イビツな折鶴が

私の病室の一輪挿しの隣に
まだ幼い長女が小さな指で
折ってくれた私の宝物です

 

短評:幼い子供を心配させてしまういけない親です。

   でもこの子のためならつらい痛みも耐えられます。

 

「片目の子猫」

    

カラスに苛められ
片目をなくした子猫拾って
育てている人が笑顔で言う
いつもウインクして可愛い

 

短評:もちろん可愛そうではあるのだけれど、それ以上に

   この子は可愛い。

 

 

「美しい水」


慰霊祭で高校生が
熱かったでしょうねのどが
渇いたでしょうねおいしい
お水を汲んできましたよと

 

短評:原爆の日の行事の中で一番感動するシーンだ。

    このやさしさとおもいやりこそ、平和の原点と言える。

流星短詩集15

 

「襷」

  

中継所手前でフラフラに

泣きながらわびる選手に

襷をつないだことが何より

素晴らしいとやさしい実況


短評:駅伝ではなぜか中継点前でフラフラになったり倒れたりする選手がいる。

   その心境は「ああ、やっと襷が渡せる」という安心感で気が緩んでしまうのだ。

   それがわかるアナウンサーの実況に感動しました。


 

「おぼえたての字」

幼い子が覚えたての文字で
みんなはやくかえってきて
紙に書いたまんま寝ている
両親と妹が震災で行方不明

 

短評:震災の避難所での中継でこのシーンを見た時、神様に祈った。どうかどうか

    家族が無事にこの子のもとに帰りますようにと。

 

 

「やさしさシャワー」

 

悲しみに涙してるあなたへ
苦しみに耐えてるあなたへ
今日も頑張ってるあなたへ

やさしさシャワーをかけたい

 

短評:このような人を見ているとやさしい言葉よりも涙を隠す痛みや汗を

   流すやさしいシャワーをかけてあげたい。

 

 

「くじけないで」

 

柴田トヨさんの詩集を

母が読みながら涙している

僕は見て見ぬふりしながら

泣き虫は母に似たんだなと

 

短評:90歳から詩を書き始め、98歳で「くじけないで」という詩集を書いた

   柴田トヨさんの本を買って読み、リビングに置いていたら、90歳の母

   が僕も涙したこの本を読みながら母も涙していた。

 

 

「指」


食堂で頑張る女性

指荒れがコンプレックスだ

ある日食事していた老人に

綺麗な指とほめられ涙した

 

短評:♪綺麗な指してたんだね。気づかなかったよ。という歌があるが、本人が

    自分の素敵さに気づかなくて、指荒れとか逆に悩んだりしている人がいる。

しかし、それは悩むことではなく誇らしく美しい指なのだ。

 

 

「クロスワード」


長崎から大阪にやってきた
84歳の母と29歳の娘が
一緒にクロスワードを解く
今時言葉は娘古い言葉は母

 

短評:長男に任せっきりだった母の世話を姉が長崎から大阪へ引っ越してきたことも

   あって、兄からバトンを引き継ぎ、次男の僕が母と一緒に暮らすことにした。

   心配もあったけど、娘とのこういうシーンをみて心から安心した。