起きれるか不安だったけれど、
無事に7時過ぎに起きることができた。
泊めていただいたオーナーさんにお礼を言って出ようとしたら
「よかったら朝ご飯食べていって」と言っていただき、
ありがたくごちそうになる。
久しぶりの家庭料理。ほっとする。
本当は金子みすゞの生まれ育った町、
仙崎まで戻って漁港で朝ご飯を食べ、
少し散策してから南下しようかと思っていたのだけど
ごはんもいただいたことだし、
このあとの予定や予算も考えて
今回は仙崎は諦めてそのまま南下することにした。
今日、福岡で友だちと合流することになっていた。
その前に、1ヶ所だけ立ち寄りたい場所があった。
下関にある亀山八幡宮だ。
金子みすゞさんとの不思議な縁は
以前にもこのブログに書いた。
金子みすゞさんは、亡くなる前日、
亀山八幡宮のすぐ脇にあった三好写真館で写真を撮っている。
その最後の写真が特に私と似ているのだ。
どんな気もちで、この写真を撮ったのだろうか。
いつか訪ねてみたいと思っていた。
亀山八幡宮は、海沿いの商店街の中にあった。
とても爽やかな感じのする神社だ。
裏参道から入り、参拝をし、くるっと後ろを振り向いたら
写真で何度となく見た亀山八幡宮の大鳥居が目に飛び込んできた。
その鳥居と、向こう側の海を見て、思わず涙がにじんだ。
この日はとても天気が良くて、水面はキラキラと光っていた。
船がいくつもいくつも横切っていく。
それなのにまるっこい印象の鳥居がとても大きくて、
海がとても小さく見える。建物なんか、とってもちっぽけに見える。
感情移入。ずっと、この風景を見ていた。
三好写真館は今はなくなってしまい、コインパーキングになっている。
石碑が、ひっそりと建っていた。
亀山八幡宮の前にはさまざまな石碑がある。
ここは山陽道の起点なのだそうだ。
ついでに床屋発祥の地でもあるのだそうだ。
駐車場までの帰り道、本屋を見つけて立ち寄る。
思うところがあって
金子みすゞの詩集は1冊も持っていなかったのだけど
どうしても読みたくなってしまった。
文庫本の詩集を見つけてそれを買った。
商店街の本屋さんなのに、セレクトがすごく良くて
地方ではなかなか見かけない本もいっぱい置いてあった。
どれもこれも欲しいのをぐっと我慢して、
我慢しきれずに、詩集と一緒にハービー山口さんの写真集を買った。
その近くでは、震災支援のためのチャリティ古本市が開催されていた。
手描きの看板がとってもかわいかった。
ママたちの集まりらしく、一般書もあるけれど、絵本や子ども向けの本が多い。
いい本もいっぱいあるのに、どれも50円からと異常に安かった。
本を数冊と、牧郷ラボのギャラリーに置けるかなと思って
絵本を数冊購入した。それでも400円ぐらい。
久しぶりに物欲を満たして、心も満たして
一路、九州を目指した。
商店街にあったすてきな看板。どんな人なんだろ