$藤野町で山暮らし~フジノぼんの日々

この1本の樹から、すべてが始まりました。

今、改めて考えると、そうなのです。
この樹との不思議な出会いが、今に至る流れには、
大変な意味を、もっていました。

だから、どうしても、
今日という、再生の日に行っておきたくて。



いつもより少しだけ早起きして山を登った。
「熊出没注意」という看板を3つも4つも通り過ぎて
熊鈴が手に入れられなかったので
ICレコーダーを音量マックスで再生しながら、
自分も唄を歌いながら、行ってみた。

何ヶ月振りだろう。
川の水を飲み、汲ませてもらい、
幹に手を触れた。
だいぶきていなかったので、目が回る。
それから、体がふわりと暖かくなる。

幹と幹の狭間に入り込んで
いろんな話を、なんとはなしにしていたら
思うことがいろいろいろいろ出てきて
それがすべてなんとはなしに、感謝と誓いに集約された。
そうすると自然と頭もすっきりしてきて、
軽くなった体でそこから出ようとしたら。

風もないのに、突如、落ち葉が
ユキのように大量に降ってきました。
とめどなくとめどなく、数分間。
あまりにもきれいで、意味がわからなくて。
そこから動けなくなりました。



いよいよ帰ろうと重い腰をあげると、
もってきたコップのふたに、落ち葉が1枚乗っていた。
周りに落ち葉はないのに、このコップの上に1枚だけ。

$藤野町で山暮らし~フジノぼんの日々

これはもっていっていいということかなと思い
お礼を言って、ポケットに落ち葉を忍ばせて
へたくそな唄を聴かせながら、山を降りた。

すると、最後の階段で、
葉っぱが1枚、はらりと目の前に落ちてきた。
また落ち葉だと思い、視線を地面に落とした。
ところがその落ち葉は、突然空を飛んだ。パチクリ。

落ち葉ではなく、蝶だった。
蝶はそのまま、階段のいちばん下まで飛んでいき、いなくなった。
また蝶か、と思う。今日だけではない。
私はよく、蝶に道案内される。

急坂をクルマで降りていく。
熊は出なかったが、大きなサルが道を通せんぼしかけて
やっぱり気が変わったとばかり、渋々どいてくれた。



偶然にも誕生日が同じな、
会社の人と撮った記念写真は
とてもいい顔をしていた。










$藤野町で山暮らし~フジノぼんの日々


どうやら私も、
サーティーワンアイスクリーム。

バースデームーンでいうところの
人生2度目の新月を迎えた。





春から、私の日々はめまぐるしく動き
文字通り、精算の時から再生の時へ。


ギフトとしか思えないできごとが、続いている。
もうなんか、不思議が、不思議じゃなくなってきた(笑)。



ポケットの落ち葉を、
旧暦手帳の、大切な1ページに挟み込む。
一三夜の月を雲の向こうに感じて
今夜は、月見をしようか。