ヌーラ オフェイロン

ダブリンに、たったひとり
―55歳のメモワール

敬虔なカトリックの国アイルランド。避妊や中絶はできず女性が家庭に入るのがよしとされ、経済的にも相当に貧しかった時代がある。その時代のアイルランドに産まれ育ち幸か不幸か子どもに恵まれず男性にも恵まれず、英文学講師、テレビ局のプロデューサー、新聞のコラムニストなど多岐に渡って活躍し現在に至る社会的な成功を収めた女性、ヌーラの自伝書が本書になる。

日本でも結婚しない女性の話題はときおりのぼるが、55歳独身キャリアウーマンであるヌーラがその本心を吐露した本書はじつにリアリティがある。仕事に生きた女性の結論のひとつが本書なのだろう。ただ、この本はベストセラーになったそうだが、日本語訳では正直その良さが伝わりきれてない感がある。