僕の読書日記 -2ページ目

ブロークン・エンジェル

2007年4月に出版された本でオルタード・カーボン(リチャード・モーガン作、田口俊樹)の続編です。期待して買って読んだのですが、前作のオルタード・カーボン程のインパクトも面白さも無かったです。前作のインパクトが強すぎたせいでしょうか。それとも、前作から今回の出版までに時間があいたせいでしょうか。物語の舞台は27世紀で、特命外交部隊「エンヴォイ・コーズ」という特殊部隊に属していた“タケシ・コヴァッチ”という主人公を中心に話は進みます。この時代人間は、脊髄にスタックという記憶回路をうめていて、お金がある人間はそのスタックの器となる体(スリーブ)を衰えばとり替えることで永遠の命を保つことができます。また、人間=スタック=記憶 ということで惑星間を、データとして記憶を転送することにより移動をすることもできます。犯罪者は精神(記憶)のみを収容庫に格納されたりもします。このようなことが、物語の世界の基本設定となっています。イメージ的には、世界観がちょっと暗く自分なんかは、映画の「ブレードランナー」なんかを思い浮かべました。今回は、話の設定が前回以上に大きく、全体が大味になってしまった印象があります。もう少し、今っぽい話であったなれば違った印象を持ったかもしれません。ただ、次作が出版されれば買うことになると思うので、そういう意味ではやはり面白い作品なのかと思います。次作に期待です!


シャドウ・ダイバー

シャドウ・ダイバー。副題が「深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち」。早川書房より2005年6月に出版された本です。分厚いので、読む前はギョッとしますが、読み出すと止まりません。レックダイバー(レックダイビング・・・沈没船・戦没船など海底に沈んだ人工物にダイビングすること)がニュージャージー沖に発見したUボートの謎を解き明かそうとする物語です。過去の戦史、記録を見てその海域で沈没しているUボートはなく、まさに謎に包まれた存在であるのですが、その存在を解き明かす現代のレックダイバー達の奮闘と、沈没したUボートの乗組員の話が平行に描かれています。この本を読むまで、レックダイバーという人達が存在しているを知りませんでした。ダイビングの技術的なことにも踏み込んで書かれています。Uボート乗組員達の話を描くことで、単なる冒険小説の域を出た作品となっています。読み終わった後に余韻の残る作品で、文句なしにお薦めの一作です。

船戸与一作品

古い作品ですが、「緋色の時代」「猛き箱船」「」「猛き箱船」「砂のクロニクル」の3つの船戸作品を読みました。どれもそれなりに面白くはあったのですが、自分の満足度から言えば50~60%ぐらいのもんでしょうか。心に残る作品というのは、その作品の中の何か、例えばフレーズであったり、情景描写、または主人公等何かが自分の中に残るのですが、それが無かったです。「緋色の時代」はロシアマフィア、「猛き箱船」は平凡であった日本の青年が、非日常的な生活に憧れ、その憧れの対象となる伝説的な傭兵に接近し、裏切られる物語です。「砂のクロニクル」については、イランを舞台にグルド独立を中心に物語が描かれています。ジャンル的には冒険小説ということになるのでしょうか。船戸作品では「流砂の塔」「蝦夷地別件」が優れていると思います。特に自分的には「蝦夷地別件」がお薦めでしょうか。船戸作品の物語の展開の特徴として2つのことがあげられると思います。1つは、主人公に近い人物が何人か居て、その立場立場で同時進行的に物語が描かれることです。もう1つは、まずハッピーエンドで物語は終わりません。作品の終わり方はジャンルは違いますが、少し馳星周に似ていると思います。