連続Web小説 「ハードボイルドな朝」第三話 | 登山やらナンやら

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登山ブログのつもりで始めましたが、いつの間にか写真ブログに・・・
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俺は森の中を軽快に走った。
こうして自然のぬくもりを
感じながら走っていると
まるで、母体の胎内に
いるかのような錯覚さえ覚える...










朝の香りが心地よい...
俺は、ふいに立ち止まり辺りを見回した。
一度も来たことがない場所だ。。。
・・・だいぶ遠くまで来てしまったようだ。
土地勘が全くない...










その時であった!
突然の衝撃が俺を襲う!
なっ、なんだこの感覚は!
過去にも何度か味わったこの感覚!
(↑ ただの下痢だよ!)









すっ、少しマズイことになっちまった...
こんなところで
腹痛に襲われるとは...
百戦錬磨のこの俺も・・・
とうとうヤキが回ったか?








俺は、すぐさま走るのをやめ
下腹部を出来るだけ刺激しないよう
水平に進む歩行スタイル
に切り替えた...








トイレを見つけようと
必死に首だけをあちこちに回す...
そう、まるで・・・
ニワトリのように。









だが、こんな森の中で
トイレなど
発見出来るはずもなかった...
こんどこそ正真正銘の大ピンチだ!









俺の頭脳は、これまでにないほど
超高速で回転した...
家に帰るまでは、100%もちはしない...
来るときに見かけた公衆トイレまで戻るには、
この水平歩きだと30分は掛かる...










I see・・・
よしいいだろう、このまま進んで
トイレを見つけることに賭けるしかない...










だが、そう長くは持たないであろうことを
俺は、本能的に感じ取っていた。
朝霧が立ち込める森の奥へと奥へと
足早にあゆみを進めていく。。。









変な汗が吹き出る・・・
もう我慢の限界に達しようかという時
折り重なる木々の隙間から遥か向こうに
白い建物が見えた...








あの類稀なフォルム・・・
静寂に包まれたたたずまい・・・
That's right!








あれは
トイレに違いない!!
俺は、その建物を凝視しながら
水平移動で近づいて行った...


50m、、、


25m、、、


10m、、、


高鳴る期待...










5m、、、


3m、、、


残像が残る程の素早さで
その建物の正面に回り込み
トイレに駆け込もうとした瞬間、
その建物の正体を知る...




















「な、なんかの倉庫・・・」
くっ、俺としたことが・・・
完全に判断をミスった。










Oh、ジーザス...
神はこの世にいないのか...
地獄へ突き落とされた気分だった。










もう、、、「ウン・・・」
いや、この物語は
高貴なご婦人方もお読みになっているので
直接的な表現は控えることとしよう。
そうだな、、、こう呼ぶことにしよう...
「チワワ」と。









まずいな、、、
もうチワワが、その出口で
鳩時計
的な動きを繰り返してやがる。








(画像はネットから借用)






テッテレレッテ
テッテレッテッテ♪
テッテレレッテ
テッテレッテッテ・・・♪







そしてチワワの出入りにシンクロして、、、
あの「スタードッキリまる秘報告」で
脳内で無限ループ…










よし、もうこうなったら
最終手段だ!
フッ、この歳になってまさか「野グ・・・」
おっと、失礼・・・
「有機肥料散布ショー」
を開催することになるとはな...










人生何があるか分からないもんだ...
これだから、「生きる」ってのは
刺激に満ち溢れている。










俺は、空を見上げた・・・
それと同調するかのように
一陣の風が吹き抜けた...
さあ、ショータイムだ!









俺に残された時間は少ない...
発射時刻まで、30秒・・・
いや、もって20秒だろう...
フッ、上等だ...










俺は、五感を研ぎ澄まし
ショーの舞台を探した!
あと、15秒・・・










なるべく人目の付かない場所を
チョイスせねば...
道なき道をジョン・ランボーのごとく
突き進む...

10秒・・・

んっ、あの岩陰ならもしや!

5秒・・・









もう考えている余裕はない!
岩陰にすべり込むやいなや・・・

3秒・・・

俺は、タイツをずりおろし・・・

2秒・・・










なっ、何っ!
く、くそっ、なんてキツイんだ!
このスポーツ用のタイツってのは!
1秒・・・










ぬっ、脱げない!
マッ、マズイ!!
ぬおぉぉぉぉぉぉーーーーー!!!



















えっと、、、
つづ・・・けても・・・、いいかな?