ニコ予定通りに忙しかった2週間。土曜日はいずれも、学会の理事会と研究会があったし、オンライン参加で教育心理学会と日本心理学会もあったし、職場で全学FD事業もあったし、科研費の申請書の続きを書いたりもした。他に、評価センターの研究会もあったな…。とりあえず一段落して、まずは良かった。

 

うさぎクッキー日本心理学会ではジェンダー関係のシンポジウムに参加。自分としては今まで、ジェンダー的視点を扱った研究をすることはあっても、自分のアイデンティティは「発達研究者」なので、「ジェンダー」の枠で発表などをしようと考えたことがかった。「発達」または「教育」で発表をしていた。今回のシンポを聞いていて、ジェンダーで発表したほうが良いのかな…という気になった。そのほうが、研究世界のダイバーシティ(人間の多様性だけではなく、研究視点の多様性も含む)につながるのかなぁ…と。

 

うさぎクッキー教育心理学会もおもしろかった。「主体的・対話的学び」がコロナ禍のオンライン普及でなし崩し的に「個別最適な学び」と「協働的学び」に置き換わっていることの問題点が指摘されていて、目から鱗。個人的にはもともと、文科省のいう「主体的・対話的学び」は胡散臭いとは思っていたのだが、その胡散臭さが表面に出てきた結果とも言えそうな気がする。

授業実践の分析もおもしろかった。学級経営は、子どもたちに自由にのびのびさせることと、統制することのバランスが大事。しかし統制に偏りぎみの授業や学級は、子どもたちの発言などが一見すると活発に見えるが、発言内容に深みがないという。一見すると活発なので、見学した研究者も実は騙されていたが、後から記録を分析すると「あれ…?」と。他方で、バランスの取れている授業は、一見するとダラダラしているところもあるが、実際は子どもたちがしっかり考えて発言している。

教育行政の現状を考えると、「統制に偏りぎみの授業」を助長しているように思うが、この「一見して…」は厄介だな。

 

ニコ不登校関連の問題に関わることになりそうな流れなのだが(未定だけど…)。

1960年代の高度経済成長期の経済的には急速に豊かになっていった日本で、就学免除願を出すことを強制されて学校から追い出される子どもの割合が急増したというデータがある。これを学生に見せると、みんな驚く。実際私も、初めて見たときは驚いた。

この現象の平成・令和版が起きているように思う。

授業のスタンダード化などの統制が進む中で、学校からはじき出される子どもが増えている。しかも複雑なのは、「自分から学校を拒否して別の学びを選ぶ」という「主体的選択」という自己認識を持つ人も少なくない。主体的選択自体は結構なのだが、学校はそれで良いのか…? そしてひいては、この国で暮らす子どもたちみんなにとって、それで良いのか…?と思う。