桐野夏生さんの作品を読むシリーズ3冊目。
まだ読み終わったわけではないが 主人公の貧困故の倹約生活を読んでいると 自分が マスコミ報道などを通じて 作り上げてきた貧困のイメージよりも はるかに日本人若年層の貧困化が深刻であるような気がしてならなくなった。
いきなり自分のことになって恐縮だが 以前1Kという間取りの都内マンションに住んでいた時 一番の出費が家賃だったことをよく覚えている。
29歳の主人公は家賃58000円のアパートに住んでいるということになっていたと思う。 つまりで 日本の都市部 であれば最低辺の住い。
それともネカフェなどで寝泊まりする生活に比べればはるかに人間的生活を送れているという風に考えるべきなのだろうか。
同じ倹約生活でも余裕がある人がやっている工夫と そうしないと生きていけない人がやるそれとでは 例えやっていることが同じであっても意味は異なる。
倹約を楽しもうなどという感覚はそれをしなくても生きていける余裕がある階層が感じるある種の贅沢もしくは優越感を得る手段なのかもしれない。