対象は女子 仮にB

経緯は知らないが

とある男子がBはバイ菌だから気をつけろ

と親切に警告してくれた。

 

Bの机や椅子もバイ菌がついているから

掃除の時間もモップでそれらを移動していた。

あの頃女子がどういう反応をしていたか覚えていないが、少なくともそんな事をしている旦市を咎めることも無く、消極的に参加していたようだった。

 

Bは今で言う鋼のメンタルの持ち主で表面上は全くめげていなかったのが救い出すと言えなくもなかった。

 

春の遠足があった。バスの座席はつうろを挟んで右側が女子、左側が男子が仲の良い者同士で自由に決める事になっていた。

 

そのクラスは女子の方が人数が多かったので最後尾の座席には女子が3名男子が2名座ることになった。つまりそこだけが通路という物理的空間を隔てることなく男子と女子が隣り合わせに座るある種特別な場所だった。

 

意地の悪いクラスの女子、仮にKが悪事を働きこともあろうにBをそこに座るように仕組み実際それが最終的に決定した。

 

やはりクラスの女子連中もBイジメの当事者だったのだ。

 

転入してきたばかりだったまなつさんは特に仲が良い友達がいるわけでもないので結果的にその席に座ることになるのではないか、そんな気がしていた。そしてその予想は当然のように適中したが特に困ったわけではなかった。

 

 

というのもBの容姿が理由でバイ菌と呼ばれているわけでもなかったからだった。むしろバイ菌というイメージとは対局の美少女。

 

 

 

何故かクラスの男子は転校生が可愛そうだからBの席を移動しろと女子に猛抗議。最終的にBの席は最後列の窓際へと移動。

 

 

代わりに男女の境界に座ることになったのは同じ日に転校してきたH。これも意図的に仕組まれた展開のようだった。

このHが「ガキっぽいことやってるね」と目で訴えかけてきたので「そうだね」という意思表示のつもりで微笑み返しをした。

 

 

 

後々知ったことだがBが小学校低学年のころ性的イタズラの被害者となり、その事が学校中に知れ渡りそれ以来Bがバイ菌というレッテルを貼られたと言う事だった。

 

子どもって残忍非道だ。これが人間の本質なのだろうか?

 

 

 

結局この遠足以降

まなつさんとHは同じ学校から転校してきたことになった。2人が同じ都内の公立学校から転校してきたため、東京都標準の同じ体操服を入れる袋を持っており、遠足の時に仲良く話していたのは前から知ってるからだという推定がその根拠。違うと否定すると「隠さなくてもいいって」そういう感じだったのでHと二人でそういう事にしておくことにした。

 

 

 

 

因みにバスの最後尾に座った他の男子は知的障害者のような児童2人…どちらかというとこの2人の方がバイ菌的だった。遠足で話すことはたしかにほとんどなかった。

 

そういえば後日この内の1人Oが国語のテストの時、先生が席を外した隙に

「一問でいいから答え教えてくんねえか?」と両手を合わせて懇願してきたので教えてあげたことがあった。その時のOのテストを見たらほとんど空欄、何問か記入してあったが間違いというより完全なまと外れだったことに衝撃の絶句。

 

 

 

 

 

 

小学生のメンタルならありがちなのかもしれないが、その後同じ学校から転校してきた2人が実は付き合っていたという噂が流れるのにそんなに時間を要しなかった、イジメというかイジリだと思うがこれとニタようなイジリは東京の小学校でもあった。

 

マアこれもHと暗黙の了解を取りそういうことを否定しないことにしていたら、それをネタにしたイジリも減少していった。飽きたのもその理由だろうが、その事がクラスの中で既成事実化してしまい当たり前のことを言っても無意味、そんな雰囲気だった。

 

ただ男子Gだけが執拗にそのイジリを卒業するまで主にHに対して続けていた。好きな女子にチョッカイを出すの典型だった。Hは精神的に大人だったので軽くあしらって受け流していた。

 

 

Bの話に戻るが

Bの兄が少年院に入ったという噂が流れ、ゴシップ好きな女子が大盛り上がり。

少年院に収監が事実だったかは不明だが、その頃からBに対するバイ菌扱いがかなりマイルドになった。不良の兄という武力による抑止力が働いたわけだ。

 

 

 

 

 

Hとまなつさんは同じ公立中学校へ進学した。3年間同じクラスになることもなかったが、廊下ですれ違う時にはいつでもアイコンタクトしていた間柄だった。

 

 

当時中二病だったまなつさんはよく昼休みに机に肘を付き顔を支えつまらなそうに目を閉じていることが多々あった。

 

そんなまなつさんの所へHとつるんでいたMの2人でお見舞いに来てくれた。Mのことはよく知らないが小学校の時から背が高く首にギブスをしていたのでその存在は知っていた。

 

Tというクラスの男子がある女子のことを好きだと修学旅行の時に悪ガキに打ち明けたら、たちまちそれが拡散された、その相手がMだった。

 

お見舞いというのは、Mと仲が良かったクラスの女子Kがつけたある種のイジリ用語だった。今だったら素直に心配してくれてありがとうと言うのだろうが、当時は「別に」そんな対応だった。

 

 

ある日お節介なKが

「Mちゃんまなつのこと好きだって言ってたよ」

と余計なお世話。すると普段話したこともないSがその話に参入してきて

「それ私もKちゃんから聞いた〜」

 

と事実を裏付けるようにはしゃいでいた。

 

因みにKちゃんというのはMのニックネームだ。

 

 

その頃男子Tの話は全学年共通の既知事実。

それに対する気配りも全くないお節介なK。

 

結局MはHに便乗して中二病の少年を眺めに来て勝手な妄想を膨らませていたのではないだろうか。

 

 

今だったらじゃ今度…

となるのだろうが中二病だったまなつさんは

Kの話に「よかったね」と言った記憶がある。

 

Kにしてみればこれも男女恋愛イジリの一種だったのだろうが当時はお節介で無神経なKに腹を立てた。とは言いつつもそれ以降Mのことをちょっと意識するようになっしまったのも事実だった。

 

 

いかんBの話が…

Bとは一度同じクラスになったが、不良の兄が恐かったためか、クソガキも少しは成長したためかは不明だが、露骨なイジメの対象ではなくなっていた。ただ噂好きなKTMが

「ねえ知ってる?」と兄の悪事を拡散していた。

 

 

それくらいしか中学校時代のBの思い出はない。

 

 

 

今更言うのも何だが中学の頃もなんだかんだで楽しかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イジメ

駄目

絶対

 

 

ゆいめたる

どないしたんやろ?