北京オリンピックの中継技術を見ていて最新の技術は凄いと思いながら、17年前、2005年の24時間テレビ車いすトライアスロン中継を思いました。
当時の24時間テレビの移動中継には、ワンボックスカーの屋根上に数台のカメラと、もう一台は三輪バイクが用意され、荷台に重さ10キロ以上のハンディカメラ一台で走行中の姿を汗だくになりながらカメラさんと実況アナウンサー、ディレクターさんなどが追ってくれた。
三輪バイクのカメラさんは、約8時間もの間、たった一人の方が中腰や、それよりも下から腰に転落しないように命綱をつけて重さ10キロ以上のハンディカメラを持って絶えず映してくれていた。
現代の技術なら、ドローンの追従、ジンバルなどを用いた小さなカメラで撮影する手法が容易に可能の中、当時を思うと何より凄いことが、「撮影にかける人の熱量」だった。もちろん現代の撮影も同様に熱量は凄いが、人の力以外の手法が無い時代に、そこへかける撮影への情熱は物凄いものだった。今でも鮮明に残っているのが、バイクの荷台にいたカメラさんに、中継中に辛くないですか?と何度も声をかけたとき、もちろんものすごく暑いし中腰の体制が辛いと言った後に、それ以上に大貫さんの挑戦は今もっと辛いはず!その全てを捉え続けますから一緒に走りましょう!!と。
武道館への中継が無い時でもずっと撮影してくれていたのです。
ゴールするまでは絶対に涙を流さないと決めていたが、何度も目頭が熱くなりそうだった。
テレビでは自分が主役として放送してくれましたが、本当の主役は支えてくれたボランティアさんや全てに携わってくださったお一人お一人のスタッフの皆様です。
見えない場所、気づかれない姿、ひとつの作品と言うものを作り上げるにはいつの時代も人が存在する。
これからの時代、どの分野でも人の熱量は強くあり続けて欲しい。そう思います。
大貫学人 おおぬきまなと