なかにし礼 著


<あらまし>
波子は、当時付き合いのあった大杉との結婚を
断って、自由な雰囲気がある森田勇太郎と結婚。
その後、大杉からの誘いを受け、夢と野望を
背負い、満州へ渡り、造り酒屋「森田酒造」を設立。
一度袖を通した着物には、二度と袖を通さない
ほどの成功ぶりだったが、勇太郎の留守中に
ソ連軍の進攻と満州での暴動が起こり、
そこから流浪の逃亡生活を過ごすことに…。

<感想>
なかにし礼さん自身に、かねてから興味があり
著者自身の満州引き上げ体験を基にされたと
聞けば、よけい興味が湧き、読みたいと
思っていた一冊。

私の一種の勘のようなもので、最初の本の出だしで、おもしろいか、おもしろくないか、とだいたい判断してしまう。

この本の出だしは、衝撃的!
「……牡丹江市警察署に一通の告発書がとどいた。」

この出だしで、おもしろくないはずがない!

あっと言う間に読み終えてしまったんだけど、
読み終えた後、主人公に、反発を感じてしまった。
こんなことって珍しい・・・。
だいたい、主人公に同調しちゃったり、するんだ
けどね。

そういえば、前にもこんな感じをおぼえたことが
あったな・・・。と思って考えてみたら、
「風とともに去りぬ」を読んだあとの、
主人公、スカーレットオハラに対しての感情と
とってもよく似ていた。

そう、二人は似ているかもしれないな・・・。

人から注目されたり、反発されたりするのを
モノともせずに、自分に正直に、生きていく。
二人とも、守るべきものがあって、それを
守る為に生きていくっていうより、ぐんぐん
生き抜いていくってカンジ。

現代なら、二人の行動は、そんなに奇異に
映らないだろうけど、なんといっても当時
の時代背景においては、やっぱり二人は
突出した女性なんじゃないかな