もう20年も前の事だが、就職した翌年の春、ちょっとした病気で入院しなければならなくなった。有り余る時間の多くを好きな車の本を読んで過ごした。その中の一冊で、前から気になっていたクラシックレンジローバーが欲しくて仕方がなくなったキッカケとなった本が、『嶋田荘司氏の名車交友録』と言う本。

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雑誌の連載をまとめた物で、10台程の試乗記にクラシックレンジも出てくる。

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車のプロではないが、小説家らしい豊富な知識で歴史文化的な視点や鋭い感性で各車を表現している。元々イギリス的な物が好きだった事もあり、レンジローバーの世界観にすっかりハマってしまった。
こんな言葉で紹介されている。
「輝ける英国人気質の伝統を今引き継いでいるのは、実はこの高価なオフローダーなのだ」
「『治にあって、乱を忘れず』と言う言葉がある。英国人や英国車を思う時、僕はどうもこの言葉が浮かぶ。」「ドアに貼られたチーク材がとてもいい。これまた日本車には永久に出てこない発想だろう。あまり磨いていないのだ。指で触れるとざらりとした生木の感覚、そして渋いいいろをしている。」

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「シャーロック・ホームズ、彼が1988年のロンドンにいたら、きっとディア・ストーカーを被り、この車に乗るだろうと思う。」

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