そんなある日

マナミだけが使う引き出しの中に

見慣れないノートが入っていました。


表紙には何も書いていません。


開いてみると、最初のページに

【書くだけで夢が叶う魔法のノート】

と書かれていました。



「え、書くだけで夢が叶う?そんなわけない」


思わず口に出しながら

でも気になってページをめくると



【そんなわけないことない】

【ノートで夢を叶えた人たちを見せてあげる】


と書かれていました。



「私のつぶやきが聞こえたのか、、?」


奇妙な一致に気持ち悪さが残りましたが

さらにページをめくると


ノートで夢を叶えたという人たちの

たくさんの物語が書かれていました。



読んでいくうちに

本当に夢が叶うのかもしれないと思ったマナミは

ノートを書いてみることに決めました。



でも、何を書いたらいいか分かりません。




物語の次のページをめくると

 

【書く気になった?】

【じゃあさっそく今感じてることを書いてみて】


と書いてありました。



完璧な動線です。

マナミは促されるままに書きました。



『私も夢を叶えたい!

   もっと人生楽しみたい!!』







それからマナミは

ノートに書かれたお題にそって

毎日ノートを書きました。



ある日は、日常の中の感謝を。

ある日は、今日嬉しかったことを。

ある日は、過去の悲しかったことを。



最初の頃は何を書けばいいか

思い浮かびませんでした。

特に感謝なんてのは、そんなものないわ!と

怒りのようなものすら湧いてきました。


でも【そんな怒りも一緒に書けばいい】と

書かれていたので

感謝できねーーー💢と書きました。




不思議なことにこのノートは

マナミが書き進める中で疑問に思ったことがあれば

次のページに必ずその答えが書いてあるのです。



感謝

五感

感じること

縦軸と横軸

個体と源

頭の声

体感覚

自分だけの道

器と魂

理想の世界



たくさんの答えとともにノートを書き続けると

苦しさはだんだんなくなり

楽しいと思える日が増えてきましたが


型にハマった不自由な現実は変わりませんでした。