聴いているラジオ局の番組編成が今月からがらっと変わった。

 

 聴いてみると、月曜から木曜の昼間は、自局での制作はやめて、キー局の番組を買って時間を埋めている。ローカル色が好きだったので、他局を聴くことが多くなった。また、デパートのサテライトスタジオからの放送も、土日だけになった。

 

 一昨年から予兆はあって、早朝の番組が二人でやっていたのが一人になった。残念ながら一人で何時間も聴くに堪える人は少なく、結果二人でしゃべっているキー局の番組にチューニングするようになった。

 

 そんな変更で、相当経費節減になるのだろう。コマーシャルが余りなく、日本広告機構のスポットで穴を埋めていたので、こういう変更もよくわかる。だからといって、ラジオというメディアを広告媒体として新たに活用しようという企業は熊本ではまれだろう。

 

 新聞もそう。夕刊がなくなり、広告に似せた告知で紙面を埋める。もうそろそろしたら、配信で稼げない新聞は廃刊されていくんだろうと想像する。

 

 ラジオに戻ると、聴く方としてはただで質の高い番組を求めるので、地元のローカル局がそのように疲弊しているなら、ラジコのエリアフリーで気に入る番組を探す。そして、そのような行動がさらに地元ラジオ局を疲弊させていく。

 

 隣県では昼間の時間帯は、今年度はローカル制作を継続しているのでうらやましい。いつまで続くかだが。

 

 思い起こせばずーっと昔、半世紀以上前、ローカル局のテレビはコマーシャルの枠が相当空いていて、局名が表示されただけの静止画が何秒も、日に何回も流れていた。

 

 このままいくと、そんな終末もあるのではと考える。

 

 ラジオは大好きだ。決まった時間に決まった番組が流れる。耳からだけの情報に想像力を働かせる。いろんな新しい何かを、たくさん経験した。聞き逃し配信も録音もなにもないから、本当に集中して聴いていた。いつでも聴ける、と思ってから、ラジオは単なるソフトの一つに堕落した。

 

 自分の好きな番組だけ聴くという行為は、耳を塞いでいるのと変わらない。

 

 ラジオの状況が変わればいいのだけれど。(了)