日曜あたりから咳が出て、それものどが痛い咳だったので、変だなと思いつつ月曜に電話したお客さんから、

「坂田さんそれコロナですよ。」

と言われたので、恐くなって病院に行った。

 かもしれません、と言ったら、元々予約していた時間でなく、夕方五時半に来てくれと、病院もそれなりの体勢となる。

 例によって鼻の奥に細い綿棒を差し込まれて、わあわあ言った。あれはなんべんやっても慣れない。

 検査の結果、コロナでもインフルエンザでもなく、痰が黄色であれば感染症だと言う。体温は三七度で、朝より五分上がっている。

 「薬を五日分出します。たぶん二日で良くなります。そしたら飲まんでいいです。」

と、かかりつけの医者は推断した。

 その日は母も通院して薬を処方してもらう日だったが、母は通院なしで、保険証だけの提示で処方してくれた。このアバウトな対応は、マイナ保険証の場合できるのだろうか。

 妻にコロナでなく移らないとメールして、家になんとか運転して戻り、すぐ布団を敷いてばたんと寝た。この日はまだましな方だった。

 さて次の日からが本格的で、とにかく頭が痛い。熱で腰が痛い。薬で劇的に改善する訳でもなく、やっとの思いで食事を摂って薬を飲んで、逆流しないようにしばらく右腹を下に横たわって、本棚の文庫本を読みながら眠る、を繰り返した。寝汗が出だしたら少しずつ体温が下がってきたが、それでも熱が引くまで三日かかった。

 その間お客さんの自動車事故が入ったので、うんうんごほごほ言いながらお客さんの家へ。

「どうしたの、大丈夫ですか」

はい腰が痛いです、と生返事しながら状況の確認。結局午後一杯なんやかやで掛かって、再度布団に倒れたのが夕食の時間。

 次の木曜もその事故の対応で夕方から同じように動いた。さすがに水曜よりもきつくなかったが、頭の痛いのがどうしようもない。

 もうだめだと思ったら、金曜朝頭痛が改善していてほっとした。

 原因は走り過ぎによる体力の低下で常在菌が暴走。健康管理もたいへんだよ。(了)