夢判断ができるだろうか。
90年代に東京でコンピューターのシステム販売をしていた。さる業界の会社の上位20社にコンタクトをとろうといろいろやっていて、11位から20位の会社のうちの何社かで成果があった。
その中にT・・社があった。本社ではなく、横浜の支店。どういうきっかけかは忘れたが、部長さんと話がかみあって、提案も受け入れてもらって、受注、納品、売上、回収という運びになった。
なぜか今朝見た夢に、その当時システムを使う責任者の男性と、その苗字からの連想だと思うが、キンちゃんとよばれていた女性が登場した。リアルで会ったのは30年も前。それが夢の中では、確かにその二人が30年経った風貌で、私がしばらくぶりに尋ねてきたというシチュエーションだった。
キンちゃんはきれいな方で、訪問した時には会話するのがひそかな楽しみだった。夢の中でも(年取ってもきれいだな)と思った。
「どうしてやったらいいと思う?」
と、キンちゃんが周りの人に聞いている。この坂田の奴は、熊本に帰るときにあいさつに来たっきり、その後の連絡もよこさない不義理者だけど、こうしてのこのこ表れた、さあどうしてくれよう。そんな意を含んだ表情で、にこにこしている。
にやけていろんな事を期待したところで目が覚めた。この会社の夢を見たのは当時を含めても初めてで、びっくりしてしまった。
まあ夢判断はさておいても、当時は怖いもの知らずで、飛び込んで担当者の名前を聞き出し、なんとかアポイントをとって、一生懸命説明し、という昭和の営業をやっていた頃である。この会社の部長さんに、いろいろと相談を頂くようになってうれしかった。最初の上司から、(別の会社だが)初受注をいただいた経緯について、「人を得たんです、」と表現されて、その時は意味があまりわからなかったが、今思うと、T・・社の部長さんとの関係もそうであったと思う。
今やっている仕事も、思い返すと、「人を得たんです、」ということにつきる。
そう思って(それを狙って)仕事をしている訳ではない。ただ、テーマに没頭するだけ。当時も今もそう。「それでいいんじゃ、」という夢だったのかしら。(了)