アン・ブックスの中の『アンの友達』に、競りで子供を買い、引き取りにきた子供の親戚に渡さない、という話があった。

 何日かでも手元で育てると、愛情が湧いてくる。『赤毛のアン』もそういうエピソードから始まる。

 知り合いで、特別養子縁組をして子供を育てている人がいる。もう中学校を卒業したと思う。子供本人に、どう伝えようかとそれだけが気がかりということを言っていた。

 ときどきそのことを思い出す。