快食快眠快便は本当だ。どれが欠けても日常が厳しい。

 最近この三番目が深刻な状態だったのを脱したので、他のストレスも五分の一くらいに減った気分だ。

 とにかく改善前は、一月頃までは、冬になって水分の大半が尿になるのにも関連してか、毎日どころか、気がついたら2~3日出ていない。食後の便意はあるのだが、一向に出口に向かってくれない。年齢から胃腸の動きがだんだん衰えていくとはわかるが、こうなるとは不意打ちだ。出ても細かいかけらがほんの少し、という日々が続いていた。

 ついには激しい便意を感じてトイレに腰かけても、出口まできて出てくれない。異常に固くなったそれは、出口の前で栓をしているかのようだ。栓を外すことができたら、全部一気に出てくれて、と考えるが全く思ったようにいかない。青ざめた。

 長い時には30分こもって力んでも、一向に出てくれない。

 両足首をにぎって、と工夫して多少出ていたが、この日はだめ。

 洋式よりも和式が出やすいはず、とトイレのふちに和式よろしく足をついてしゃがんでみる。いい感じの姿勢になって、力をこめやすい。でもまだまだ。

 結局この日は、ウォシュレットの放水を、出口に頑張っている塊にぶつけて少し分解し、少しずつ排便できた。ただ大半は残っている。

 内科の力を借りることにした。同様の悩みを抱える方は多く、酸化マグネシウム剤を処方してもらいなさい、とアドバイスをもらった。

 もともと内科はかかりつけで、快便でなくなった年末頃に相談したら、わかめとヨーグルトがいいです。酸化マグネシウム剤も処方しましょうか、とは言われていた。

 その後わかめとヨーグルトを買って食べていたが、そう頻度は多くなく、上記のような状態を迎えていた。

 早速次の診療の時に処方してもらった。二日目に結果が出た。ほっとした。ただまだ固いから出口に負担は大きい。

 その日からわかめとヨーグルトを、意識して切らさず食べるようにした。数日経ったら、快調になった。これでひと安心。

 地震などの災害で、そういう薬も食材も手に入らず、トイレもままならない場合、再び便が出てくれないと想像したときの恐怖。今それが一番恐ろしい。(了)