フルマラソンチャレンジの2年目。ピックアップされた翌日からトレーニング再開して2週目。

 金哲彦さんの本買ったのは去年の春だが、結局脚の痛さを必要以上に怖がって、ろくに実行できなかった。まあ結果論だけど。

 それでも今年走った経験から、痛いのは筋肉痛にすぎないことがわかったので、今度は中断せずにやろうと、週3回まずウォーキングから始めた。3か月でハーフを走ろうというメニューである。ジョギングは3週目からになる。思った通り、痛いのを我慢してやっていたら、だんだん膝が楽になってきた。これから回復していくだろう。

 今日は日曜なので寝坊して、6時半から歩き出して、帰宅する頃にはもう明るくなっていた。手袋を付けないで行ったのを後悔するくらい寒かった。

 玄関の横の芝生に猫がいた。目が合ったが逃げようとはしない。手入れを全くせず、30センチ以上伸びたぼうぼうの芝生が、どうやら寒さをしのぐのにはいいようだ。にこっと笑うと、猫も安心した顔をした。なんだかなごんだ。

 猫といえば、おととしくらいまで、実家の玄関に猫がいついていた。えさをやるわけではないが、どうやら居心地がいいらしい。実家の玄関には、テレビの台を置いて、その上に配達の牛乳を入れてもらう箱と、宅配の惣菜を入れてもらう発泡スチロールの箱を置いている。下の棚には、新聞やフリーペーパーを入れてもらっている。脇には宅配用の受け取りボックスがある。

 実家にくる猫は、テレビ台の棚に入って寝そべっていたり、宅配ボックスの上に乗っていたりしていた。宅配ボックスは柔らかいからか、特にお好みだったようだ。よくその上でおしっこをしていた。においは猫のおしっこだからものすごく、閉口したが、別に腹は立たなかった。

 その猫は、いつもびっこを引いていた。走っている姿を見たことはない。追い払うことなど思いもつかなかった。近所の人は、えさをやっていたようだが、その猫は仲間を連れてくることもない。誰からも好かれていた。

 そして気がつくと、その猫が姿を消していた。死期を悟ってどこかへ行ってしまったのだろう。ちょっぴりせつない気持ちがした。

芝生の猫に会って、その猫を思い出した。(了)