自宅にレコードプレーヤーを設置したので、数百枚と思われるアナログレコードを聴けるようになった。アンプとスピーカーは子供のマランツとダリ。レコードプレーヤーは友人からの借り物で、おそらく40年物だけど、何枚か掛けるうちに、だいぶ鳴るようになった。
ただ聴く時間を見出すのが骨だ。家に帰りつく時間はおおよそ8時で、それから洗車や洗い物、入浴して8時半。そこから聴ければいいけれど、妻がテレビを見ているので、それ以外の音は鳴らせない。そのうちに妻は横になって寝息を立て始めることがあるのだが、先日それで『フィデリオ』を小さな音で掛けたところ、寝ていたはずが「うるさい」ときた。
バラエティ番組のほうが音量大きかろうと思うのだが、どうもオーケストラだと、大きくなったり小さくなったりで、しかもバイオリンの音が入るから、うたたねの妨げになるようだ。
という訳で、レコードも選ぶ必要がある。
まず人の話し声ならいいのかも、という期待で落語。謡曲もいいかな。民謡は鳴り物がないならばよさそうだが、掛けてみないとわからない。それとオーケストラが登場しない・バードの合唱曲。こんなのを選んでみよう。ペルトの静かめのやつもいいかもしれない。バルヒャのオルガンも聴きたいが、ちょっと難しいかも。
作業場の実家でひと頃聴いていた。周囲に隣接した家はなく、道を隔てて二軒あるだけで、音も結構大きくして聴けていいのだけど、聴いてるうちにもう一枚、もう一枚となって帰れなくなっていた。なので作業場ではラジオとテープ録音、それとCD、DVDとダウンロードだけにしている。それなら音の良さにひたることもないので帰れる。
音は、耳で聴こえない周波数のところにある音が大事。そこに気持ちが吸い込まれていく。デジタル録音だとその周波数がいいところでカットされているから物足りないっちゃ物足りないのだが、アナログレコードだとちょっと魔法がかかってくる。
今探しているのはレッド・ツェッペリンのレコード。買うと高すぎるから、持っていて貸してもいいよという人を探し中。もし借りられたら、昼間妻が出かけているときに鳴らしたい。
一日の最後にアナログレコード。ジョブス君も一緒だったみたい。(了)