マンションと戸建ての、お金の方から見た違いの一つに、マンションは管理規約上、自室の補修に努めなければならないが、戸建ては補修するしないは持ち主個人で決められるということがある。
根拠は、『マンション標準管理規約』の第20条。
もちろんこの『標準』とそれぞれのマンションの規約はイコールではないから、この条文が必ずあるとは限らない。
でもまあ自室の水漏れを放置して、下の階に迷惑をかけ続けておいてもいいって訳はないので、やっぱり他人のことを考えて行動しなければならない。集団生活の当たり前の縛り。
戸建ては極端に言えば、雨漏りを放置して、傘指して生活してもいいからね。
それとやっぱり住んでいる人たちが、年々歳を重ねていくから、管理組合の平均年齢もだんだん高くなって、リタイアした人も多くなって、決め事もお金がからむとなかなか決まらないようになってくる。その結果修繕積立金がどんどん不足して、大規模改修工事のお金も借金して工面するようになる。そんな状況のときに、地震がきたらどうすんだ、て話をテレビでやっていた。
マンションを投資物件と考えて、部屋を貸していることも多いと、実態上住んでいる人が数人で、後は別のところに住んでいるなんてマンションも結構あると聞くと、管理組合もいったい誰のために何をするのかがわからなくなってくるのでは、と心配する。
所有者の入れ替わりがあって、平均年齢が常に日本の人口ピラミッドと近似しているならばいいけれど、マンションはだんだん老朽化していくから、なかなか買い手は若返らないだろうと推測する。
してみると、ある時点から、又は始めから、マンションの管理組合の主導権を、国又は地方自治体の許可を受けて登録された管理者に一任し、その管理者は毎年監査報告をする、とかいうくらいしないと、計画的なマンションの維持管理、価値の保全は難しいんじゃないか。
ただ逆に考えて、マンションに集うことになった人たちが、意見を合わせて一致団結して、持続可能な管理組合の運営とマンションのメンテナンスが行われていくならば、それはとっても美しい、近所づきあいの一つの理想だな、と昨日思った次第。(了)