TAXI | 馬車道にて。

馬車道にて。

イラスト、プライベート、好きなもの、ごっちゃ混ぜです。

『からめた指を~ ほどくたびー』
冷たい夜風が心身ともに沁みる(まじで寒かった)横浜スタジアムに
このイントロが流れた瞬間、場内はどよめきと歓声に包まれました。

わたしの友人など、わかんない方もいるかと思うので
簡潔に説明すると
あるグループを脱退した方が、ソロコンサートで当時のグループの曲を歌ったのです。

決してスムーズな辞めかたではなく、彼のこの行為に対しても
『ヤダちょっとうそでしょやめてよ信じらんない』→どよめき
『きゃあ、懐かしい!うれしい!感激~』→歓声
と現地でも、たぶんネット上でも、感想は悲喜こもごもでした。

わたしはサンザン申し上げている通りの新参者で、
ほんとに残念なことですが
リアルタイムで一生懸命に彼らを愛して傷ついたわけではありません。

なので『おお…知ってる曲だ。歌っちゃうんだ、スゲエー』でした。
読まれているファンの方に対して、お気持ちをシンクロできずに申し訳ありません。

CDとおんなじだ、ほんとに上手だなあ…
喜ぶ方たちがいるからニーズに応えているのかな、喜ぶだろうな

と感じながら、ステージの彼を見つめて
わたしにとってのこの曲への思い出があったので、それをつづります。

東方神起を好きになって、もっと知りたい!と音源から映像、情報をむさぼっていた頃
『彼らのこんなマーケティングがスゴイ、だから売れた』みたいな記事を目にしました。
それひとつじゃなくて類似記事も、反論するものも読みました。

要約すると
俳優による韓流ブームが陰りつつあった時に、
一気に主婦層の人気をかっさらった東方神起、
その秘訣は
・イケメンなのにフラれる曲や女性にすがる曲が多い
・不倫の歌詞に自分(主婦)を置き換えれば妄想可能
・発音しにくい日本語を歌詞に取り入れて、その懸命さに母性本能を以下略
でした。けっこう失礼ですよね。

そんでその中の戦略的な楽曲のひとつに、冒頭の歌があったのです。
決まったパートナーのいる女性と結ばれたくても結ばれず、
明らかに年齢や呼びかけ、立場も女性優位な雰囲気。
耳にも心にも心地よさそうな設定です。

ほあー。

そういう企画や戦略自体は興味深かったですが
『いつも身勝手な夫やうるさい子供に追われて疲れてるんだろ、
さあ~、かわいい年下イケメンに切なく想われて
身もだえちゃえYO!
現実逃避しちゃいなYO!』
などと上から目線でおぜん立てされても
心に響きませんでした。

ばかたれ、こちとらリアル男なんて、とんとご無沙汰な枯れ女よ、
二次元にしか萌えない不気味な中年をなめんな。
と斜に構えてCDをセットしたのです。

ハスキーで美しいジュンスの声。さすが、音楽に愛された男。
ジェジュンが切なく歌い上げて胸を打ち、
ユチョンはあの声と苦しそうな歌い方がよく似合っていました。
チャンミンは…まあ、年上も悲恋も好きなんだろうけど、これはイマイチ切なさに欠けるな
(当時の歌では、ですよ)
ユノはきれいに歌ってるけど、まじめそうで絶対こういう恋愛しなさそう。
リスクのあるところにわざわざ飛び込まなさそうっていうか。

などと、こちらも負けじと評論家気分で聴きました。

東方神起(5人)の曲をシャッフルして何度も聴いていたある日の帰り道、
スマホの中では、ちょうどこの曲のサビが近づいていました。


君の未来 こわさない限り
この想いを かなえる こと は 
で きない よ~


ぐはっ!!!!

な…
なんじゃ今のは…

心を引き裂くような、哀しみに満ちた歌い方
やりきれない心情が伝わってくる、なんともウェッティーな声
イヤフォンから、彼のちぎれるような胸の痛みと悲しさと苦しさがあふれ、
聴いてるだけなのに、心臓がバックンバックンしました。

どうしてわたしはお肉屋さんの前で、こんなに腰くだけになっているんだろう。

チャンミンの高音はとてもきれいで少しかすれている部分もまた
その切なさを上手に表現していましたが
たとえるのなら
『あのお姉さんがすごく好きだけど、ステディいるしなあ…、悲しいなあ…』な
若々しい恋の悩み的な切なさなのに対して、コチラは
『オレとはあんなコトやこんなコトもいっぱいしたのに…。どうして…ッ!!』
な、アダルトで夜っぽいドッロドロ感にあふれていて

もうね…


わたしの未来、壊される準備はオッゲー!!
カモン!
ユチョン、最高!!